未定
@gaspard9173
第1話
舞台の上で踊るあなたを見ていた。なんなんだ。あなたは俺と一緒だと思っていた。その姿はどうにも美しく、破滅的でもあり、彼女の言葉にできない内面を周囲に押し付けているようでもあった。あまりにも勝手な解釈ではあるが、観客は俺一人なのだから何を思ってもいいだろう。これは彼女が世界に対して訴えたかったことであったが、それは俺一人にしか見せることができなかった叫びであった。そのことが自分に微細な優越感とひどい嘔吐感をもたらし眩暈がした。踊るあなたと目が合ったとき、自分は見下すか嫉妬するかでしか人を見ることができないのだなと思い、やはりなぜこんな自分が生きているのかという問いが頭の中で繰り返された。
「僕はなぜこんな風に生まれてしまったのでしょうか。なぜ生きているのでしょうか。」
「きっと私から愛されるために生まれたんだよ。あなたを愛しているだけで私楽しいもん」
その言葉だけに縋り付いて生きてきた。だけど違うだろ、あなたが俺を愛していることは本当にあなたの本当にやりたいことじゃないんだろ?あなたの夢や理想がかなうならその世界に俺の有無は関係ないんだろ?くだらないことばかり考えていてもどうしようもないとはわかっているがどんどん湧き出てくる脳内の雑音が止まらない。視界はすでに緑色の線の中にあり、溶け出した体は蝶になり、灰になり、昼になる。隙間から伸びた手に足首をつかまれ広がった草原には穏やかな日差しが降り注いでいた。花火が打ちあがるが音もなく光もない、時計のない部屋で過ぎた時間を数えていた人たちの中に流れていた音は今も耳の奥に消えずにいる。太陽の二重瞼を知ることに意味があり、白髪はすでに挙手を感じとった。今現在、意識は時間から切り離され独立していると感じているのだが、時間がなければ空間もないだろう。それは鳥のように見えたが、交尾中の一対のトンボらしい。カメが水槽の中で死んでいた。窓にはアサガオが日に当たるよう置かれていて、水槽の中ではカメが一匹死んでいた。この砂漠は偽物だ!賛同する声こそがサバの招待だ。ハンドルをまわすだけの力はもうすでにない。俺ってどうすればいいんですか。燃える土、困惑する惑星売り、腕時計の中の妖精ならさっと出て行っちまったよ。果肉を食べさせてあげようか。そんなものの中でも彼女だけは輝いていた。彼女だけが混沌から救いだしてくれていた。彼女のことを考えること、柔らかな頬、あまりにも短い輪郭、柔らかな頬笑それに触れるだけでこんなにも満ちたりるのだ。世界は終わりを迎えるだろう!鷺は死に、アホウドリの回覧板だけが証拠になるのでお早めに。すべてのものは見られることから始まる、まだ見たことのない仮定空間における話など滑稽極まる。0000000
夢は終わり落ち着きがもどってきた
どうやら2,3時間くらいこうだったようだ。早めに帰ってこれてよかった。
もう慣れた意識の吹き飛びのあとの虚脱感
その虚脱感の中心には彼女がいた。 第一話 fin
未定 @gaspard9173
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