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俺にはヒトノシダを燃やすことは出来なかった。それが何を意味するのか、わかりすぎるほど理解していたからだ。
だが、俺はもうこの国には入れない。
一度裏切ろうとした俺が、この国に居るべきではないからだ。
アスタポリカの街並みを見る。
何度も見てきた景色。いつも通りの景色。しかし、見慣れたはずであるその綺麗な街並みに、俺はどこか物悲しさを感じた。実像以外の何物でもないその中に、どこか虚像を感じたのだ。
アスタポリカは変わっていない、変わったのは俺だ。
そこにアスタポリカはあったが、俺の中のアスタポリカは、そこにはなかった。
俺は振り返り、歩き出す。ここではないどこかを目指して。
アスタポリカの植物少年 猫目 綾人 @nekome201
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