第4話 丁寧語

 文末を「です」「ます」調にすることで、丁寧語としての表現になります。

 「です」をより丁寧にする形式に「(で)ございます」があります。「です」「ます」よりさらに丁寧になります。



形容詞の丁寧表現

 形容詞の丁寧表現として「です」を用いて「高いです」「立派です」などと表現するのが一般的になりつつありますが、この形は比較的新しく、世代によっては規範的ではないとされることもあります。

 そのため、とくに改まった場面では避けたほうが穏当でしょう。改まった場面では「形容詞+です」の代わりに「ございます」を用いた表現をするとよいとされます。

 「高い」⇒「たこうございます」、「美しい」⇒「美しゅうございます」、「軽い」⇒「かろうございます」、「重い」⇒「重うございます」


 これは私見ですが、「立派です」は「立派だ」の「だ」を「です」に言い換えたものなので違和感はありません。

 しかし「高いです」は「です」を常体の「だ」に言い換えると「高いだ」となって収まりが悪い。「高い」に「だ」を付ける場合、糊として「の」を挟むと「高いのだ」となって、引っかかりの少ない表現になります。

 これを再び丁寧語に戻すと「高いのです」となります。

 ただ、形容詞の文型を変えずに丁寧語にするには「〜うございます」を用いるのが最善です。



「ございます」は謙譲語IIに近い

 「ございます」の現時点での敬語の分類上は丁寧語ですが、「丁重な述べ方」で「相手のことについては使えない」という点で謙譲語IIに近い位置づけとなります。

 一方で、謙譲語IIは自分のすることに関する表現ですが、「ございます」は「今日は木曜でございます」のように、自分のこと以外も(相手のことでなければ)使えるという点では丁寧語という側面もあります。

 実用面では「相手のことには使わない」と把握しましょう。




最後に

 今回は「丁寧語」について述べました。

 単純に「です・ます・ございます」と憶えておけば事足ります。

 難しいのは次の「美化語」の扱いです。

 すぐにそちらを見てみましょう。




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