第23話
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初めて異世界転生小説を書いてみた
ステータスオープン(能力値開示)
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始まりの旅人
レベル 20/100
HP 50/999
MP 200/999
物理攻撃力 5/100
魔法攻撃力 40/100
物理防御力 10/100
魔法防御力 20/100
器用さ 5/100
素早さ 30/100
運 40/100
装備
鉄のペン
旅人の服
布のくつ
魔法
無属性の魔方陣
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ここは風の街アルファス。商人たちの街。毎日12時になると、時を告げる鐘の音が響き渡る。時の降る鐘である。昔の英雄が敵の軍隊からこの街を救ってその記念に建てられたのだそうだ。
リンゴーン♪ リンゴーン♪
リンゴーン♪ リンゴーン♪
街の商人と買い物客が話している。
「そうれ、そうれ、浮雲漬けはいらんかね」
買い物客が鑑定眼のスキルを持つ筒状のメガネで浮雲漬けをまじまじと見ている。スキルとはそのものの持つ能力のことであり、鑑定眼のスキルとはそのものの物品の能力をステータスにして抽出し、メガネ越しに能力を浮き出させることを言う。浮雲漬け(ふうんづけ)とは風属性のスキルを持つ???をいう。浮雲の???とも言われる。ちなみに風、土、火、雷、水の五元素の付与効果を持つそれぞれの武具がある。それぞれに特徴をもち、風は素早さに特化し、土は防御力、火は物理攻撃力、雷は魔法攻撃力、水は特殊能力に特化している。
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浮雲漬け
素早さ +1
特殊効果 ???
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買い物客が、ほうっ、と声を上げる。そして、すぐさま目頭を押さえる。「こんなにいいものじゃ、お高いのじゃないの」
「そうでもないさ。たったの500デール」
「ちょっと値引きしなさいよ。買ってあげるから」
アオトは、浮雲漬けとは何だろうと思いながら歩いている。風の街にやってきたのは訳がある。大風の精霊テュールに浮雲の加護をもらうためである。まずは腹ごしらえと探索である。
紙の地図を取り出すと、ラーメン屋を探し始めた。すると近くにおいしいラーメン屋があるのを見つけた。
麺屋 風ツバメ
という名前らしい。この町の象徴である時の降る鐘の近くにあるらしい。地図を頼りに「麺屋 風ツバメ」に向かう。
麺屋 風ツバメはこぢんまりとした店だった。ドアを開けて店に入る。
カラン♪ カラン♪
鈴の音が響き渡る。
「いらっしゃいませ♪」
店の中に人がたくさんいる。カウンター席に座りそれぞれラーメンをすすっている。しばらくぽけーっと突っ立っていると、
「そこの食券販売機でお金を払って食券を買ってください」
「はえ」
ぼーっとしていたのか「はい」というところを「はえ」と言ってしまった。
食券販売機で画面を眺める。とんこつ風来ラーメンニンニクとチャーシュー三枚添え1000デュール、とんこつ醤油ラーメン980デュール。迷わずにとんこつ風来ラーメンニンニクとチャーシュー三枚添えを買う。あと気になるのを見つけた。おみやげで浮雲(ふうん)漬けという食べ物がある。
とりあえずとんこつ風来ラーメンニンニクとチャーシュー三枚添えを買う。カウンター席に座りしばし待つ。
「はい、お待ち!」
湯気がもうもうと上がっている白濁色のラーメンが机の上に置かれる。
テーブルの上にあるコショウをぱっぱとかける。そして瓜漬けをラーメンの上に載せる。
チャーシューがばらばらにならないようにラーメンをかき混ぜる。そして一口食べる。とんこつの油が乗ったそれでいてまろやかなラーメンである。今度は瓜漬けをひとつまみ箸でつまむと、メンと一緒に口の中に入れた。瓜漬けのしょっぱい、そして辛いツンとした酸味とミルキーな味わいのあるとんこつが絶妙なハーモニーを醸し出す。
チャーシューを一枚より分けると口に入れる。
じゅわっとしたあぶらみと柔らかな肉がかみしめるたびにとろける。
おいしい。
お腹がすいていたのもあって夢中になってラーメンを食べ尽くした。
そして大風の精霊テュールの情報を得ようとしてまず、
「すみません。浮雲漬け、一個ください」
店員さんがやってきて、
「浮雲漬け一つですね」
待っていると、
「浮雲漬け、切ったのがあるのですけど、お一ついかがですか?」
このときに、浮雲漬けを食べればよかったのだが、
「この町に大風の精霊テュールがいますよね。どこにいれば会えるのですか」
店員さんが、
「まずはお一ついかがですか?」
その間にお金を払い、浮雲漬けを買う。その間にも、
「大風のテュールは?」
ここでラーメン屋の店主が声を掛けてくる。
「お客さん、他のお客さんの迷惑だから浮雲漬け買ったら出て行ってくれないか?」
「大風の・・・・・・」
ここで、ラーメン屋の店主の顔が真っ赤になる。
僕は店を飛び出た。
風の羽という宿に飛んで戻れるアイテムを使う。すぐさま宿に帰り、ベッドにもぐりこんで眠った。しばらくしてルームメートも戻ってきた。ルームメートにことの顛末を話して愚痴をこぼす。
「俺が悪いのかなあ」
友達は、はははと笑うと、
「そりゃそうだよ。お店の得意料理をけなされたと思ったのだから」「はあやっちゃった」
「そりゃそうと、浮雲漬け食べよう。ごはん炊いて」
浮雲漬けは瓜漬けだった。
ごはんとともに漬物を食べた。
「おいしいねえ」
「そうだね。おいしいね」
その晩、ふっと気づくと、白い雲に乗ったツバメになっていた。天から声が降ってくる。
「そのほう、浮雲漬けおいしかったかね」
僕は答える。
「おいしかった」
「そうか、おいしかったか!」
天の声は、がっはっは、と笑う。
「ただまあ、我が店に営業妨害はいただけなかったがな」
「えっ」
「麺屋 風ツバメは私の店である。店主が私であり、大風の精霊テュールだ」
「ふええ~」
「何か言うことはないか」
僕は深々とおじぎをしながら、
「ごめんなさい」
と言う。
そのとき、
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特殊能力
浮雲の加護 「浮雲(ふうん)のそよ風」
を手に入れました。
風の魔方陣 +2
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精霊に言われる。
「シードは与えた。たいしたことのない能力だが。出来るものなら「浮雲のそよ風」を「逆鱗ノ竜 浮雲(ふうん)の激風」に育てて我に激風を捧げよ。そのときに会ってやるかまた考える」
シードとは元素となる魔法の種のことを言う。魔法使いたちはシードを育てて一人前の魔法使いになるのだ。
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特特上クエスト
時の降る鐘の前で浮雲の加護である「逆鱗(げきりん)ノ竜 浮雲(ふうん)の激風」を使って風を起こせ。
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はっと気がつくと、もう朝だった。夢だったのかな。手をかざす。そして、いつもやっている風を起こす儀式をやってみる。
ぶわっと手の中で青い緑色の風が吹き荒れた。布団がふっとんだ。
急いでステータスオープンをする。
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風の旅人
レベル 20/100
HP 50/999
MP 200/999
物理攻撃力 5/100
魔法攻撃力 40/100
物理防御力 10/100
魔法防御力 20/100
器用さ 5/100
素早さ 30/100
運 40/100
装備
鉄のペン
旅人の服
布のくつ
魔法
風の魔方陣
風の瞳
特殊能力
浮雲の加護 浮雲(ふうん)のそよ風
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僕は風の街アルファスのほうを向いて手をいつまでも合わせていた。「頑張ります。このシードを必ずや育てきって見せます」
ルームメートを起こすと風魔法を見せる。
「へえ」
ルームメートは先んじて土魔法を習得していた。ルームメートは言う。
「じゃあ早速ギルドに行って依頼を受けようよ」
「うん!」
こうしてアオトの風の旅人としての冒険が始まった。
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浮雲漬け
素早さ +1
大風の精霊テュールの試練を受けるために必要
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物語を読み終わった主治医が言う。
「君はやさしいな」
そのとき胸がずきんと痛んだ。その瞬間叫ぶ。
「僕は優しくなんかない」
と。
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