第7話
主治医との面談の時に、
「蒼くんに渡したいものがあります」
と言われ少し気持ちが何だろうと思った。渡されたのは一冊の冊子であった。
「これは・・・・・・」
ぱらぱらと冊子をめくってみる。文章がコピーされたものを手製でホッチキスを止めて冊子にしているみたいだった。
「これはうちの患者さんだった人が書き残したものです」
最後のページをさっとみる。そこには、
笑われても良いじゃん。君も芸術描けよ
と書いてあった。ふっと涙腺がゆるんだ。ぐすっと音が出る。先生は続ける。
「これはなかなかの出来でね。私も時々読み返しているのです」
「どうする。読むの? 読まないの? 読まないのなら返してもらいます」
慌てて答える。
「読みます!」
冊子を胸に抱いて部屋に戻る。部屋に戻りながらぱらぱらと冊子を拾い読みする。面白そう。
ベッドにもぐると、うつぶせになって最初からページをめくる。
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