2話 高校入学編②

町の中心地にある大きなショッピングセンターの一角にゲームコーナーがある。


ゲームコーナーに着くと高校生で溢れかえっていた。だいたいは入学式が終わって暇だから遊びに行こうという話だろう。


田舎の高校生は遊ぶといったらゲームセンターに行くかカラオケに行くかしかやることがない。


「そういえば自己紹介がまだだったな、俺は奥村陽平。よろしく。」


「伊月悠馬。よろしくな。」

話をすると奥村はとてもいいやつで、隣の中学出身のサッカー部だった。

高校生でもサッカー部に入るらしい。


「メダルゲームでもやろうぜ」

平井が言うと3人でメダルゲームをすることになった。

最初は楽しかったもののメダルが運良く増えるれば増えるほど飽きてきてしまった。


平井と奥村はまだメダルゲームを楽しんでいて2人共白熱しているようだった。


飽きたので2人に大量のメダルを渡し喉も渇いたのでゲームコーナーの中にある自販機に向かう。


自販機で飲み物を買って自販機横の椅子に座って飲み物を飲む。

疲労がどっときて椅子に座ってぼーっとしていると女子4人組が座っている自分の前に来た。よく見ると同じ高校の制服を着ていた。

「こいつ、怪しくない?」


「ねぇ、財布とったでしょ?」


「は?」

思わず心の声がでる。



「やめなよ、疑うのはー」


「だってこいつ怪しいじゃん。」


全く話が読めずただ財布をとったと疑われている。しかも見ず知らずの同じ高校の女子に。

「悪いけど財布なんか知らないよ。」


「だよねー」


「なら財布探すの手伝ってよ。同じ学校のよしみでさ。」


「あの子財布無くしちゃったみたいなんだよね。」


よく見ると同じ中学の顔見知りの関屋眞子だ。


「わかったよ。それで俺の疑いが晴れるなら探すよ。」


平井と奥村に事情を話して2人にも手伝ってもらった。


「ゲームコーナーに財布があるって確証はえるのか?」


「わからないけど最後に財布を見たのはプリをとった時だからここだと思う。」


かれこれ30分は探しているが見つかる気配がない。探しながら4人組と話して知ったことは同じ高校の1年であることと俺らと同じ暇だからゲームセンターにきたこと。

それと関屋が財布を探していたのを見て手伝っていたことだ。


結局財布はゲームセンターのフロントに届けられていた。

「ありがとう手伝ってくれて」


「とりあえず見つかってよかったな」


関屋は帰って行った。


「疑ってごめんねー」


「財布取りそうな顔してるからさ」


「やめなよ、桃華」


「まあ、ありがとうね。いい奴じゃん」


「とりあえず見つかってよかったな」


「とりあえず帰るか」

平井と奥村馬出口の方にいるので合流するために向かう。


「ちょっと待って面白そうだからLINEしよう。」

4人組の1人から声をかけられた。


「いいけど」


「あとの3人にも送っていいよね?」


「構わないよ。」


「ありがとう。またね。」

ゲームセンターを後にして3人で帰る。


「あの4人組みんな可愛くなかったか?」

平井が言う。

「確かになーあの二つ結いの子可愛いよな」

奥村が話にのりタイプの話をなる。


「いや、あの気の強い子のが可愛いな」


「伊月は?」


「いや、いまいちわからないな。」


「はあ?何はぐらかしてんだよ。」


「そこは言えよ。」

そんな話をしながら帰路につく。







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あの頃の返事をもう一度 桜月夜風 @yunagi0215

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