2話 高校入学編①

出会いと別れの季節、春。

俺はこのなんの思い入れもないこの学校に入学した。


夢と希望溢れる入学式。そんな入学式になるはずもなく受験に失敗して滑り止めで受けたこの学校に夢だの希望だの思えるわけがない。

かといって絶望してるわけでもない。

学校なんてどこでも良かったしどうでもよかった。だから適当に受験して落ちてこの学校に流れ着いた。それだけのことだった。


式を終えて割り当てられたクラスに戻る、同じ中学の知ってる顔が何人かいた。


「お、伊月じゃん。またよろしくな」


「おー平井。」


平井は小学校から一緒でまた同じ学校に入学した腐れ縁だ。


「部活きめた?」


「まーサッカー部かな」


「まあ、そうだろうな」

平井とは小中同じサッカー部に所属していた。高校もサッカー部に入ろうと思う。


「ここのサッカー部そんな強くないらしいし程よく楽しめればそれでいいからな」


「だよな。」

平井のサッカーのレベルは県で通用するほどの実力なのだがサボり癖と練習嫌い。そして、やる気の問題で強豪校から誘いがあったのにもかかわらず断ってこの特に大して何もない私立校に入学した。


「今度体験入部行こうぜ。」


「そうだな。」


「はい、座れー」

担任の先生であろう若めの男性が教卓に立つ。

「はい、私がこの1年2組担任になります。横山隼人と申します。これからよろしく。」


担任の自己紹介。そしてクラス1人1人の自己紹介をした。

「今日はこれで終わりだから解散。」

ホームルームを終えて帰宅の準備をする。


あちこちで自己紹介したり話をしたりしてコミニティーができている。こうやって仲良くなって友達を作っていくんだろ。


自分自身こういうのはめんどくさいし苦手だ。友達は多くないただいないわけでもない。

交友関係はそんは広くなくていあという考えだ。

準備終わらせ教室をあとにする。

1人で歩いていると後ろから声がした。


「おーい待てよー伊月。」

振り返ると平井と顔も名前もわからない男子がいた。

「これからゲーセンいこうぜ」


「これから?」


「おう、こいつと話してたら仲良くなってさ」

「遊ぼうってなって伊月とどうかなって思ってさ」


「いいよ。行こうか」


こうして急遽3人でゲーセンに向かうことになった。






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