1話 手紙⑤
バイトが終わったのは23時30分過ぎのことだ。
12月ということもあって混みに混んで店長が可哀想に見えたので1時間程延長して働いた。
「助かったよ伊月君。」
「今日は櫻井さんの代わりとはいえ災難だったね。」
「今日はやばかったですね。」
「ここから締め作業はしんどいよ。」
「すみません。残れず。」
「いやいや、1時間以上残ってくれたんだ。
本当にありがとうだよ。」
店長には申し訳ないとは思いつつ更衣室へ向かう。
携帯を確認するとLINEが何件か入っていた。
1件は櫻井からだ。
「今日は代わってもらってありがとうございます!本当にすみませんでした。」
そして変なイカが誤ってるスタンプが送信されていた。
スタンプを返しLINEを終える。
もう1件は工藤陽菜からだった。
工藤陽菜は小学校からの幼なじみで高校までずっと同じ学校だった。
LINEの内容はこうだ。
「久しぶり!元気にしてる?
そろそろ成人式の招待状届いてると思うけど成人式来るよね?
同窓会も開くみたいだからLINEのグループ入ってね!」
LINEのグループの招待が来ていてすでに何人かは入ってるようだ。
了承の返答をして店を出た。
家に着いてシャワーを浴びてベットで横になった時には12時30分を過ぎていた。
携帯を確認すると陽菜から返信が来ていた。
「成人式会えるの楽しみにしてる!それより伊月って今何してるの?」
「大学行ってバイトして今寝るとこ」
そう送ると陽菜から電話がかかってきた。
「久しぶり!」
「久しぶり!急だな」
「いや、なんか暇そうだし話してあげようと思ってさ」
「暇じゃないわ、これから寝ないとだし。」
「成人式くるんだね。」
「久しぶりに実家にも顔出したいしな」
「そういえば彼女できた?」
「別れたばっかだな」
「ふーん、ま、帰ってきた時色々聞くよ。」
「おっけーとりあえず成人式来れるみたいでよかったわ」
「また成人式近づいたら連絡するよ」
「わかった。」
「またね。」
「じゃあな」
電話を切った。
久しぶりに地元人間と話すと訛りというものがよくわかる。
机に置いてある招待状を見て思うあの頃の事を。
ここまで読んでくださった皆様ありがとうございます。
次回から高校生編になります!楽しみにお待ち下さい。
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