第二日

夏は、夜

 夏は、夜よりつとめてが好きだ。日の出の時間に外の空気を嗅いでいると、この街に自分しかいないような不思議な感覚になる。早起きした日は決まってこの感覚を独り占めするのだが、遠くで響くトラックなどの音で現実に帰ってくる。大気は時刻が早いほど香ばしくなる。だから日の出の早い夏の、早朝が好きなんだ。一生の内で二度と逢えないこの一過性の夏に、僕はきっと一度だって追いつけない。

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