Happy Birthday

シンカー・ワン

ありがとう

「生まれてこなければよかった」と君は言う。


 苦しみや悲しみが溢れているこの世界は寂しい。

 そんな世界で生きていくのは辛すぎると。


 確かに君の言う通り。

 この世界、良いことより悪いことの方が多いと僕も思う。


 でも、それだけじゃないってことも、僕は知っている。


 なにより君に出会えたから。

 それだけで、この世も捨てたものじゃないって僕は言える。


 ちっぽけな自分の存在は、意味がないと君が泣く。

 心を揺らし、悩み傷ついていく。


 生まれてきたことを嘆き悲しむ君。


 だけど、そんな君に僕は告げる。

「傷つくことも悩みも、けして無駄なんかじゃない」と。


 苦しみや悲しみはこれからも続き、悩みはずっと尽きないだろう。

 それでも投げ出さずに生きていくのは、きっと誰かと笑いあうためだから。


 僕は君と笑いあいたい。

 君の笑顔を見ていたい。



 笑って過ごせるような時代じゃなくっても、

 誰かと笑いあうために、今日もどこかで命が生れる。


 君もそんな風に生れてきた命のひとつ。


 だから、生れてきたことを君が悲しむのなら、僕は言葉にして伝えよう。


「君と出会えて僕は幸せ」だと。

「生まれてきてくれてありがとう」と。


 何度だって伝え続けよう。



 今日は君の誕生日。


 悲しみにくれて生きてきた君は、昨日でおしまい。


 今日、とびっきりの笑顔で君に告げよう。


「Happy Birthday!」と。






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


若いうちはいろんなことに悩むのもいいと思います。

そんな経験も年とれば笑い話とかにすることが出来たりしますから。

だから、生きましょう。

どこかにきっとあなたが生れてきたことが嬉しくて仕方ないって人が居ますから。


と、まぁ、耳障りの良いことを並べてみる。

年とるとこういうことも言いたくなるのよ(苦笑)

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