第21話 なぞなぞ
「突然ですがココで問題です」
「なんだなんだ」
「パンはパンでも、食べられないパンはなーんだ?」
「山田…正気か?」
「うるせぇ!正気だわ!」
「フライパン」
「ピンポーン」
「何?突然どうした?」
「そんな当たり前のように俺を変人扱いしなくても…」
「いや待て、私もこれでもフライパンに免じて優しくしてるほうだから…」
「フライパンに何の恩があるんだ」
「お。いいツッコミ!調子でてきたじゃん、山田!」
「うーん、嬉しくない!」
「で、本当に何でなぞなぞ?」
「あ、いや今日占い結果が悪くてさ」
「えぇ…」
「で。ラッキー行動がなぞなぞだったんだよな」
「なんか色々ツッコミどころあるけど…まぁいいや」
「ちなみに俺と藤本は同じ星座だな?」
「そうだけど今は違うってことにしない?」
「何でだよ!?なぞなぞ嫌い!?」
「まぁ別に嫌いじゃないけどさ」
「じゃあ次行くぞー!」
「おー!」
「ミルクを逆さから読むと、クルミです」
「ふむ」
「では、コーヒーを逆さにすると、どうなるでしょう?」
「え…」
「制限時間は30秒!」
「短っ!…なんか、ちゃんと難しくない?」
「え、そうか?このなぞなぞ小学校でも流行ってたし、皆当たり前に分かると思ってたけど」
「まじで?流行ってるのも知らなかったわ…」
「まぁ、単純に考えれば分かるって」
「えぇ…コーヒーだから…ヒーコー?ヒーコーって何だ…」
「ファイナルアンサー?」
「もう思いつかんし、それで」
「いやもっと真剣になれよ!俺が寂しいだろ!」
「真剣、真剣。早く答えが知りたくてつい」
「え?何、もう答え知りたいの?」
「うん。知りたい」
「ふっ…仕方ねぇなぁ~。答えはずばり!」
「ずばり?」
「コーヒーを逆さにすると、こぼれます!」
「は?」
「いや待って、痛い、痛い。足踏まないで、ごめんって」
「そのふざけた答えに納得がいかんのじゃぁ!」
「ちゃんと答えとしては成り立ってるだろ!」
「それならミルクだって逆さにするとこぼれるじゃんか!」
「チッチッチ。甘いな、藤本」
「はぁ?」
「ミルクより甘いぜ」
「うるさ」
「俺はちゃんと、ミルクを逆さから読むとクルミだって言ったぜ?」
「…あ」
「な?ミルクは逆さから読むとクルミ、コーヒーは逆さにするとどうなるかって、ちゃんと言っただろ?」
「うう…悔しいけど、それだと確かに答えも合ってる」
「だろ?」
「ちゃんと問題を聞いてなかった私が全部悪いって事か」
「いや、何もそこまでは…」
「やめて!中途半端に慰めないで!」
「何で、モテてるけど自覚無く女心を傷付けてしまった主人公みたいになってんだよ!」
「いや誰も言ってないけど」
「誰にでも優しい所が長所だけど女の子からしたら自分だけ特別じゃない事が逆に悲しくて中途半端な優しさに苦しんじゃうやつじゃないの!?」
「言ってないし何でモテる設定にしたんだ」
「そこはほら…現実とリンクさせちゃった」
「山田モテるの?」
「…」
「ごめんね?私が悪かったから、黙り込まないで?」
「俺の大切な友人のはずなのに俺の事を傷付けてしまった哀れな人間はだーれだ?」
「私です」
「正解!」
「まぁ、これで山田の気が済むなら良いわ」
山田と藤本の会話劇 くるみりん @kurumirin
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