第2話 地球。それは宝箱

「地球ってあの地球ですか?」


『そうねぇ。あの地球よ。あと敬語はいいよ、年も近いだろうし?』


「地球ですか…あの世界の最高峰と言っても過言ではない地球。

 魔力に対する適応度が高い反面世界自体に魔素はほとんど無いため知力のみで戦ってきた惑星。 

 もしその地球に魔素が存在していたらどういうことになっていたことやら…

 その激ヤバ世界、地球の最高司令官が私と同い年!?

 確か地球クラスの最高司令官になるには少なくとも5000、いや1万の世界を構築し、さらに太陽系委員会の幹部クラスでなければなれなかったはずですよ」


『説明ご苦労さん。なんでそこまで知っててうちのこと分かんないかな?』


「ま、まさか神歴史史上初となる最年少、つまり百も満たない歳で地球の最高司令官になった、天才児レイナ・シャルリーテさんですか!?」


『そのまさかよ〜。てか、最初に名乗ったんですけど?』


「それはそうですけど、想像と違っていまして。もっと可憐でお淑やかでしっかりしてる方だと…」


『うちは、可憐でお淑やかだよ?』


「…それで、どうすればいいのですか」


『話変えた。お淑やかなはずなんだけどな。そんなことは置いといて、どういう状況だっけ?』


「えっとですね、意を決して世界を購入したんですよ。そしたら、その世界は大半を魔王軍に支配されているにもかかわらず、魔王軍が操れないから人間を強くしようとしたのですが出来なかったのですよ」


『そういことね。はいはい、わかったよ』


「理解するまでコンマ1秒。流石天才児!それで、どうなってるのですか?」


『その世界にいる魔王は異世界人なんじゃない?元々その世界にいた住人じゃないから操れない。簡単でしょ?』


 そういうことか!…ってならないんですよ。

 どういうことですか?なんで買ったばっかの世界に異世界人が混じっているのですか?

 詐欺ですか?それとも私の世界を奪いにきたのですか?いくら欲しいからって酷すぎません?警備神呼びますよ、訴えますよ?てか、2500ゴッドすらも払えない貧乏神め!


「誰ですか?そんなことをした奴は!見つけ次第…なにしよう。あっお菓子で償わせましょう。お饅頭に羊羹、あんみつもいいなぁ…よし!早く犯人を探しにいきましょう!」


『それ完全にお菓子のためだよね?しかもお菓子のチョイス渋すぎじゃない?』


「決してお菓子のためではありません。私の世界のためです!後、和菓子が大好きです」


『なら、地球に和菓子作るのが得意な地域があるから、あとで送るね』


「わぁ!ありがとうございます!レイナさん神の中の神、大好き!!」


『この子将来不安だぁ…ってか話進まなすぎじゃない?』


「そうですか?私の中では、もう終わりそうですけど?」


『もう手伝わないよ?』


「ごめんなさいぃ、嘘ですよ。ジョークです」


『まぁまぁ、ここら辺にして、本題に入りま〜す。じゃあまず、魔王が操れないと分かったときなにをした?』


「うーん…絶望?」


『そこ、ふざけない。』


「はい。勇者を探しました」


『そうそう。それで、どうだった?』


「勇者どころか適合者もいませんでした。終わってますね」


『あちゃー、引き悪いね。それでどうすればこの状況を打破できると思う?』


「それが分からないからコールを…」


『自分で考える!』


「はい!えっと、世界を最初から作り出す!」


『それでもいいんだけど、1レベルの村人が装備なしで魔王に挑むくらい大変だよぉ。』


「わかりやすすぎる例え!他には、私が勇者になって異世界人でもなんでもけっちょんけちょんにしましょう!強いですよ私は!」


『惜しい、神様は世界に干渉できても、世界自体には入れないんだよ。一部を除いて』


「初耳です。でも確かに、自身のスキルを無限に操れる人がいたらパワーバランスが崩壊してしまいますね。

 う〜ん、他に他に…あ!他の世界から、勇者候補を連れてきてその勇者を全力でサポートすればいいのでは?」


『正解よ!でも全力でサポートしすぎると、せっかく魔王がいる世界なのに俺強ぇヌルゲーになっちゃって面白くなくなるわよ』


「たしかに、せっかくの世界ですから楽しみたいですね。

 でも、どこから連れてきます?獣族が多いもふもふ星ですか?プライドが高いナル星ですか?それともそれとも…」


『何のためにうちにコールしたのよ。生きのいいのがいるって言ったじゃん!』


「…ほへ?ま、ま、ま、まさか、地球から召喚していいってことですか!?流石にスケールというかなんというかやばくないですか?

 もしや、私にこのあと見返りとか言ってあんなことやこんなことをされるのでは?」


『え、なに?されたいの?そんなことしないよ?いや、でもちょとしたいかも…

 じゃなくて、知っての通り地球には勇者候補がいっぱいいるのよ。

 それで、うちの地球では勇者候補やら魔王適性やらの人を派遣するサービスをやっているのよ。もちろん適正度が高ければ高いほど金額は高くなるけど』


「地球って勇者の宝庫みたい…で、でも私、今所持金200ゴッドですよ?」


『少なっ!!流石に働かなすぎじゃない?

 でも今回は、おばばからってのもあるし、うち、貴方のこと気に入っちゃったし、誰でも無料で連れて行っていいわよ』


「へ?いやいや、こんな私でも遠慮というものを知っています。本当に、マジで申し訳ないですよ」


『うーん、じゃあ今度一緒にお茶しましょ!それでチャラ!』


 レイナさんめちゃくちゃ優しいですね!後ろめたい私を気遣ってこんなことまでいってくれるなんて…マジ神!てか神か、えっとマジ…神の上ってなんなんだ?お父さんとか?


「では、お言葉に甘えて。でも具体的に地球にはどんな方達がいるのですか?」


『貴方の世界におすすめなのは、日本っていう国にいる人達ね』


「確か地球は、だいたい200ヵ国あったような…何で日本人なんですか?」


『おぉ、詳しいわね。何で日本人かというと、あなたの世界の言語と日本人が使う‘’日本語‘’が似ているのよ!』


「たしかに、言語が同じ方が、色々と楽ですもんね。っていつ私の世界の言語なんて調べたのですか!?もしや、ストーカー?」


『恩人をストーカー呼ばわりしないでよ。別に簡単なことをしただけ、おばばから送られてきた情報を読み取っただけよ。うちも時間ないし、それじゃあ早速、実際に日本人をモニタニングしてみようか』


「モニタニングですって!?…もにたにんぐ?

 …あの、本当に私が無知のバカの美少女で申し訳ないのですが、モニタニングとは?」


『今までどうやって生きてきたの?モニタニングってのはね…

 もう説明するのも面倒だからうちの所まで転移してきなよ。座標(279,34,928)だから』


「爆速で向かいます!」


 なんかうまく行きそうですね。

 それよりもマジでレイナさんお父さんすぎます!

 しかもこれから会えるなんて。久しぶりっていうか初めて他の神の居住空間に行きますね!

 とびきり可愛い服でいきましょう!下着も変えた方がいいのかな?

 

 レイナさんの住む場所はどのような場所なのでしょうかね。

 あの地球をコントロールをする場所だから、基地みたいな場所ですかね?それとも、女の子っぽい場所ですかね?はたまたまたまた

 本当に誰かの住む場所に行くのは初めてだから楽しみだなぁ…


 準備もできましたし、そろそろいきましょうか!


 ‘’転移…279,34,968…‘’

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