03.後輩君の勉強、見てあげるね

//立ち位置は机を挟んで勉強中、という設定

//se ペンを走らせる音

「……ふん、ふん」//se紙をめくる音


//se ペンを走らせる音


「ほう、ほう、ふむ、ふむ」


「……後輩君、結構勉強苦手な方だね?」


「いうなれば、追い込まれないと本気にならないタイプ、とかじゃないかな?」


「ここに入る時だけは頑張ったとか、そんな感じでしょ?」


「一先ず君が解いてくれた問題集を見てるけど……」//se 紙をめくる音


「今のまま試験を受けたら……そうだなあ、赤点は取らないだろうけど、あまり嬉しくない結果になるだろうね」


「50点とか、60点とか……もしかしたら40点とかかも」


「……勿論、追試にならなくてもいいっていうなら、それでも構わないけど」


「僕のかっこいい彼氏君には、良い点数を取ってほしいなぁ~」//se 身を乗り出して、声正面に


「……ダメ?」


「……」//se 返事を聞く間


「……そうそう、そうこないと!」


「というわけで、できる先輩の僕はもう君のための問題をつくってあるのさ」//seちょっと嬉しそうな声


「僕は残りの問題を採点しておくから、この、後輩君のため、だけの!問題達にとりかかってくれたまえよ」


「何かあったら呼んでね、後輩君」


「……」//se ペンを走らせる音、紙をめくる音


//se ペンの音、紙をめくる音、台詞に合わせて追加


「……うん、うん」小さいうなずき(独り言みたいな)


「……おお、この問題はわかるんだね、なるほど、なるほど」


「……国語は、比較的得意なん、だね」


「……英語と、数学は、……まあ、仕方ないか」


「……何かな、後輩君」//se ペンの動き止めて、声を正面に


「あぁ、浮かれてるとも、見えるじゃないよ。実際に浮かれてるのさ」


「僕と後輩君だけの空間で、僕がやろうよって言ったことを、君が前向きに協力してくれて」


「それで、僕は彼氏のかっこいい姿が見れる。いいところも見せられる。少しは気持ちも入るってものさ」


「……それとも、後輩君は少しも浮かれていないのかな?」


「……一人暮らしの彼女の家、自室にいるっていうのにさ」//se 隣に動いて


「……ほら、嗅いでみてよ」//se首元に顔寄せて、自分からも深呼吸


「……す、す~……」


「……ん、ん゛♡後輩君の匂いがする」//se 少し上ずった声


「後輩君はどう?」


「僕と同じ匂い、するよね?」


「ちょっといやらしいかな?……こういうの、僕から言うのも変だよね」


「でも、さ……今日は、勉強が第一優先だけど」


「僕の部屋にいるんだよってことも、ちゃんと感じて貰いたいからさ」


「……目、閉じて?」


「深呼吸しよ?」


「吸って、吐いて、吸ってー……吐いてー……」


「……ふふ」//se 抱きしめる音


「わかる?わかるよね?今ぎゅーーーって、してる」//se 強めに抱きしめ


「この前は帰り道だったし、人の目があったけどさ」


「……ここには僕と後輩君しかいない」


「誰の目にも見られないし」


「邪魔もされない」//se 隣で囁き声


「なんなら、男の人に力に、僕が勝てる訳もないからね」


「後輩君がちょっと凄んで、脅しちゃえば、僕は逆らえないんだよ?」


「一人暮らしだから、誰かが助けてくれるなんてこともないし」


「……君の大好きな先輩は、今君が生殺与奪を握っているようなものだってこと、わかったかい?」


「……好きにして、いいんだよ♡」//se 甘い声


「…………」//se 少し荒い息


「…………」//se 深呼吸


「……く、くく、くっ!!」


「本当に、君は身が硬くていけないなあ、後輩君!」


「うんうん、そうだね、そうだとも。今日は勉強をしにきたんだから、ちゃんと勉強しないとね」


//時間経過


「……よしよし、大分よくなったじゃないか後輩君」


「この調子でいけばクラスで一番の夢じゃないんじゃないかな!」


「せっかくだし、君のかっこいい所を色んな人に見せびらかしちゃおうか」


「ね、後輩く……」


「……」//se 身体をこっちに近づける


「おーい」//段々と声近く


「もしもーし、後輩くーん」//真上から


「起きてるー?」//耳元


「ふぅ~~~~……」//息吹きかけ


「……」//反応を伺う間


「ふふ、うとうとしてたよ、後輩君」


「そうだよねえ、結構勉強してたから、疲れちゃったよね」//se 頭の上に手のせて


「よしよし」//se 優しく頭を撫でる


「えらい、えらい」//あやすみたいな甘い声(ここからトラックが変わるまでその声のまま)


「今日は本当、1日頑張ったねえ、後輩君」


「休みの日なのに勉強こんなにして」


「僕にも付き合わせちゃったね」


「……休んでいいよ、後輩君」


「ちょっと休んで、起きたら……どうしようか」


「……うん、君が起きてから考えればいいよね」


「料理でも作って、君を労ってもいいし」


「寝てる間に作るのも面白そうだね?」


「……さ、まずはゆっくりお休み」


「せっかくだし、僕が羊でも数えてあげようか?」


「羊を数えるのは、日本ではあまり意味がないんだけれどね」


「……ふふ、君が寝るまで、隣でいいこいいこ、ってしてあげる」


「今日もお疲れ、後輩君」


//se ここから声小さめ


「……」


「……ふー……」//se 呼吸音


「すー……」//se 呼吸音


「……ふー……」//se 頭なでる音


「……」//se ペン走らせる音


「……君の寝顔を見ながら、あやして、問題の採点までして」


「役得だね、彼女の特権ってやつかも」


「……」


//暫く息と、頭なでる音。ペンや紙の音を流して、トラック終了


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る