第3話 琴音(高校生)
私は、あの頃よりも少しだけ大人に近づいた。
今も凛花は私のそばで息をする。けれど、もう私が仲間外れにされることはなかった。
私が凛花について何も語らなくなったからだ。
でも、たった一人、大切な友達にはその存在を打ち明けた。
彼女は凛花の話を聞いて少し考え込んだあと、空をみつめる。
凛花と目があっているのだけれど、たぶん本人は気付いていない。
「物語にしたら?」
そんな提案に促されるまま、私は凛花を書いた。
彼女の存在が、誰かに伝わることを願って。
たぶん、君は友達 紫雨 @drizzle_drizzle
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