『あーやとふーや』 下

 

 すうじつご、おかあさんのたいちょうがよさそうなひに、ふたりと、おしょうさんは、あかりをもって、ふたりのいえから、ちかにおりてゆきました。


 かなり、ふかくおりたにちがいありません。


 しかし、いがいにも、かいだんはきれいで、ふしぎなくらい、しょうがいぶつも、ありません。


 『きみたちいっかが、ながねん、せいびしてきたからだよ。』


 おしょうさんがいいました。


 やがて、さいしょの、もんがありました。


 あーやは、おかあさんから、わたされたかぎで、あけました。


 『このもんは、そとからのしんにゅうをふせいでいる。』


 おしょうさんにいわれました。


 『しかし、ほんとうのもんは、このさきにある。』

 

 『もんばんがいるもんですか?』


 『そうだよ。』


 それから、しばらくして、ほんとうのもんがありました。


 ふたつめのかぎで、それを、ひやひやしながら、ふーやがあけました。


 もんばんのかいぶつは、いませんでした。


 『やはり、かいぶつは、いないな。ぼくは、そうだとおもっていた。』


 『うそ、ですか?』


 『まあね。しんにゅうをふせぐ、おまじないだ。よくあるしゅだんだよ。だれかが、なにかを、かくしたんだ。』


 みっつめのかぎで、さいごのもんを、あーやがあけました。


 そのさきには、ふるいふるい、まちがひろがっていたのですが、くらいので、よくはわかりません。


 『この、くらやみが、かいぶつなんだろうね。あるいてみよう。』


 そのまちには、かつてのじんるいがたてたとつたわるような、てんをつきぬけるたてものとかは、ないようでした。


 どれも、ちいさなたてものです。


 『ごく、あたりまえの、まちだったんだ。ぼくらのまちみたいに。』


 『なんで、うまったのでしょう?』


 ふーやがたずねました。


 『さて、それをしらべるのが、きみたちのしごとだ。このほんを、きみたちに、あげよう。』


 おしょうさんは、おてらからみつけたというにさつのほんを、かばんからだして、ふたりにわたしました。


 『びっくりするような、ことが、かいてあるとはおもうが、まだ、かいどくできない。まかせるよ。ぼくたちも、じぶんたちのれきしが、なぜだか、わからなくなっている。きみたちが、しらべるんだ。』


 なぜ、ちきゅうのじんるいは、いなくなったのか?


 じぶんたちは、むかし、ひかりでよねんはんくらいかかるところから、ひっこしてきたと、でんせつでは、つたわりますが、なぜだか、しりょうがなくなっていました。


 すごく、あやふやに、されていたのです。


 きたときには、もう、じんるいは、いなかったらしいのですが、くわしくはわかっていません。


 やがてふたりは、ちきゅうじんるいがくしゃと、れきしがくしゃ、になりました。


 ふたりは、ちょうちょうさんや、ちじさんとも、うまくつきあいながら、たくさんなことを、しらべました。


 ちきゅうのじんるいは、どこにいったのか?


 なにがあったのか。


 しだいに、わかってきたのです。


 それは、また、いつか。


 

       おわり

 


 


 


 


 

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『あーやとふーや』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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