第42話決勝までごーごー!!!

ラーネさんも交え、肉体に仕込む道具について議論していると






「ゆら〜準々決勝の相手決まったわよぉ。うふふ……きっと面白くなること間違いなしねぇ。」






おネェ様がなんかニヤニヤしてる……


これはいやぁな予感がするなぁ。






「え!?誰になったんですか?お姉様ぁ勿体ぶってないで教えてくださいよ〜!」






いろはが駆け寄っていく。


……ん?


おネェ様の口元震えてる?


……もしかして、うわぁ最悪かも。


もっと後だと思ってたんだけどなー






「ゆらは察しちゃったみたいで、ちょっと残念だけどぉ。まあ発表しちゃうわねぇ。」






「わくわく、どきどき。」






目を輝かせてるいろは…


それ本当に口で言う人いるんだ……






「なんとゆらの対戦相手は『いろは』で〜す!!!」






「ふむふむ、いろはですか……ってわたしぃ!!!??」






あー……やっぱりそうかぁ。まあ、いずれ当たるだろうとは思ってたけど……






「おネェ様楽しそうですね……」






まあそうだよねぇ。私も傍から見たら面白がれただろうし……






「うふふ……と〜っても楽しみにしてるから、ぜ・ん・り・ょ・く・で・頑張ってちょうだいな?」






うう……圧がすごい……






「……そう、ですね。」






どうすべきか考え込んでいると、いろはが心配になったのかこちらに駆け寄ってきた。






「ゆらさん……どうしますか?」






ん〜、大会のことを考えると6割くらい実力を出して、遊びみたいな試合で終わらせる方がいいんだけど………


せっかくいろはと戦うならまあ答えはひとつだよね






「私は全力で行きますので、お互い出し惜しみはなしで行きましょうか。期待してますよ、いろは?」






「……っ、はい!!!わかりました!!!」






どうせなら全力で行かないと楽しくないだろうしねぇ。そもそも優勝に拘ってる訳じゃなかっから、温存していた全部のカード切って…………




ああ、すっごく楽しみかも(ニタァ)




そんな感じで1人にやにやしてたら、何やらどんびいた表情のおネェ様に肩を掴まれたかと思うと


真剣な眼差しで






「ゆら……あんた前から思っていたんだけど、人前ではそんな顔しない方がいいと思うわ。仮にも乙女という歳でしょう……?」






「え?」






まさかそんなはずは……と思っていろはの方を振り返ると






「あ、お姉様もそう思ってたんですね。よかったぁ。私もさすがにどうかと思ってましたぁ!」






ブルータス……お前もか……


じゃなくて!






「え?そんなにマズイ顔してます?」






「ええ、鬼すら泣いて逃げ出す極悪顔だったわよ。」






「絶対やめた方がいいです!」






全力で頷くいろは。


ただ普通に嬉しさのあまり頬がちょーっと緩んだだけだったのになぁ。


そんなに悪い顔してたんだ……ちょっとショック……






「くぅ……そんなにふたりが言うなら、私もう笑わないですよ…無表情冷血キャラでいきますからね」






「あ、もしかしてゆらさんちょっと拗ねてます?」






「拗ねてないですよ」






うん。私は断じて拗ねてない。


ただ、少しクールキャラになるにあたって、みんなへのあたりを強くすることを決めただけだからね。






「これは……拗ねてるわねぇ」






「お姉様もそう思いますか!!そうですよね!」






「だから!拗ねてませんってば!!!」






そんな風に他愛のない言い合いをしていると






ピンポンパンポーン!






「ご来場の皆さま。そろそろ、飽きてきたころかと思いますが、まだまだお付き合いいただきます。


ええ、なぜなら…ここからが本番!!わが主の求めるこの街の最強を決める闘い!!


今までの闘いなど、ただの余興に過ぎないのです!ああ、楽しみですねぇ!今年はどんな獲物が…


ごほんっ!少々取り乱しました…では出場者の皆様は念入りに準備をしてお待ちください…」






んんん…今の声って弁慶さん?だよね???だいぶ不穏なこと言ってたような…


まあ、おネェ様と仲いいっぽいし、同類なのかもね…


まったく神の関係者って大体変人だよねー…私以外はだけど。






「ゆらさんも大概だと思いますけど……」




「なんですって!?」




はっ!今返事しちゃったけど、ナチュラルに心読まれてたよね?


いろは……恐ろしい子!




そんな茶番をやってるうちに、私たちも待機場所に行く時間になっていた




蜘蛛さんもそろそろ疲れてきたみたいだからちょうどいいね。




部屋に移動するを押してっと……




「おネェ様蜘蛛さん預かっててください!」




頭の蜘蛛さんをおネェ様に投げる




「はぁい わかったわよ〜頑張ってらっしゃい!」






そして飛ばされる待機部屋。今回は蜘蛛さんがいないので周りの様子はまったくわかんないけど、まあいつでも戦闘態勢なら多分ノープロブレム!




そこから更に5分くらい経ったかな?




転移されるのを感じ、いつでも踏み込める構えをとる。




耳に意識を集中させても衣擦れの音1つ聞こえない……さすがいろはだね。


感覚を研ぎ澄ませてただひたすらに待つ。




3




2




1










試合が始まったが、私は1歩もその場から動かない。




四肢に巫女の力を巡らせいつでも動けるよう腰を落とし、いろはが行動を起こすのを待つ。




そんな風にじっと待っていると






パキイイイン!!!




甲高い何かが割れるような音が足元からした。




なるほど…直接当てたらどうやっても方向がバレるから、あえて足元に投げて少しでも位置を撹乱しようってことか




まあそこまでして、位置をばらしたくないならこっちからも仕掛けなきゃだね。




割れた音がした位置とは反対方向に高く飛び、煙幕弾を叩きつける。




そして……手に持っていた短剣に蜘蛛さんに作って貰った糸を結びつけ右回しでぶん回す。




ん?これは当たったのか……なっ!?






「ゆらさんやっぱりあなたは凄いですね。


目が見えなくても相手の場所を割り出すその頭の良さ、感覚の鋭さ尊敬します。


でも……私だって負けませんから。」




当たった場所にまっすぐ走ろうとするが、なにかに足を取られてそのまますっ転がる。




「私が最初に撒いたのはただのジョークグッズ。ぬかるみや落とし穴を自動で作ってくれる子供でもわかるレベルのちゃちなおもちゃ……きっと用意周到に隠さなきゃほかの出場者だったら引っかかることもないでしょうね……


でもゆらさんは違う。あはは……!この見えない状況下でどうやってあなたは乗り越えるんですかぁ?」






うわぁ……随分底意地悪いことをするじゃないか。




確かにこのままだといろはに薬品やらなんやらを投げられてゲームセット……




まあ、誰もこのまま大人しくするなんて言ってないけどね!




転んだ体勢のまま四肢を地面につけ、手足を獣化させ短剣のある位置までそのまま駆ける






「えっ!?いや、でも四足歩行だからってなんだって言うんですかぁ!!!」




まあ普通わかんないよね…私が地面を蹴る時に爪を交互に突き立ててロッククライミングみたいに走ってることなんてね……




落とし穴に落ちそうになればほかの足に力を入れ、滑りそうならば爪を出してゴリ押し……




うん完璧だね!






「な、なんで避けれるんですかっ!」






そう言いながらもいろはは足音を立てて逃げて行く。でも、そんな体勢で走ってるようなら……






「あでっ!?」






「あーあー周りをよく見ないからそうやって引っかかるんですよ!」




そう、短剣が弾かれたのを感じた瞬間、そのまま闘技場の床にぶっ刺して糸を張って置いたのだ。




まあ引っかかってくれるかは賭けだったけど、引っかかってくれたらあとはもうトドメを刺すだけ……だね☆






「楽しかったですよいろは!《鳴神一閃》」




鳴神式アーミーナイフを振り下ろす。






You Win!!!




陽気な音楽とアナウンスが流れ、無事いろはに勝った余韻に浸る。




だけど、一向に元の場所に転送される気配がない……






どういうことなのかな?






「ふははは!いい勝負であった実に!」






……うわぁ





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

次回声の主の正体は……!?




《弁慶さんの心の声》


はぁ……全くあの方は自分勝手ですね


私がどれだけ我慢していると思ってるんですか…


あとで、アインさんに頼もうかな


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天然さんが行く!【最狂かわいい猫耳さんは止まらないようです】 くらげ @mizukurage-neko

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