第41話うふふふ!!!あはははは!!!



その後もおネェ様やいろはと談笑しつつ、出番が来たら対戦相手を即キルして帰ってくる。蜘蛛さんとも合流して仲良く観戦を楽しんでいた。




そんなことを続けていくうちにある問題が出てきた……






「鬱陶しいんですけど!?コイツら!!!」






いろはがぶち切れながら、諸悪の根源めがけて毒針を投げる。






「いろはちゃん、解体してっ!!!」






「ゆらさん!!!貴女のその剣さばきに惚れました。殺してください!!!」






そう、この厄介なファンを名乗る迷惑集団という諸悪の根源。視界の端に映り込んでくる異物……




それだけでも嫌なのにうざいし、うるさいし、鬱陶しい。3U揃った人の気持ちが考えられないゴミ……でいいよね?うん、処分しちゃおう。






「いいでしょう、そんなに言うなら消えなさいっ!!!」






私がぶちぎれて本当に殺そうとしたそのとき






「ゆら、いろは。待ちなさい。こういうのの対処法を私が直々に伝授してあげるわ。」






そうおネェ様が言った瞬間






キィィィィン……………






黒板を引っ掻くようなかん高い音が辺りに響き渡る。






バタバタバタ!






ドミノのように倒れていくファンもどき共。




何事かとおネェ様の方を振り向くと




あっ、勢いよく振り向きすぎて蜘蛛さんがずり落ちちゃった。直し直し……よし、接続完了。




そこには、おネェ様とさっき控え室で会ったスタッフ(?)の弁慶さんがいた。






「ご苦労様ぁ。いい仕事するじゃない。流石闘技場の警備は武の神の配下なだけあるわねぇ。」






「お久しぶりですね。そちらも少し見ないうちに随分強くなられましたね。えぇ是非また拳を交えさせて頂きたいです。」






親しげな様子で言葉を交わす2人。


弁慶さんが手に持ってるのは金属の棒…?






「はぁ…そういうところは相変わらず朴念仁というかなんというか変わらないわね。いい女の誘い方っていうのを覚えてからなら、戦ってあげなくもないわよ。」






「…ふむ。参考にさせていただきます。」






おネェ様ってマジで何者なんだろう…






「あの、おネェ様…これは一体?」






恐る恐る声をかけてみる。






「あぁ、紹介するわ。コレは戦の神が作った最高傑作…弁慶よ。」






作った…?


あ、また重力が…なんでもないです、ごめんなさい。






「そ、そうなんですね。それで、対処法とは…?」






「スタッフ呼ぶことよ。」






だいぶ食い気味で答えられた…




でも、おネェ様なら素手で全員ぶっ飛ばすとか言いそうなのに。






「ゆら…あんた私なら全員根性叩き直すとか思ったわね?」






ギクッ…!?


心を読まれた…?






「あのねぇ、私も最初は全員シバいてたのよ?でもねぇ…キリがないし、なにより付け上がるのよぉ。だからスタッフに処理してもらうのが1番なの。幸いこの大会ではいい戦闘員がスタッフにいるから、困ったら頼るといいわぁ。」






うわぁ…実感が籠ってる…


まあ、そうだよね。殺したところで逆に喜ぶ可能性もあるのか……






「はい……そうします。」






大人しくゴミ処理は全部弁慶さんとかに任せよう……






「ふぅ……スッキリしました。」






そんなふうに雑談をしていると、いろはが何やら満足そうな顔で戻ってきた。






「いろは?何をしてたんですか??」






「私はですね!!!世紀の大発見をしたんです!!!」






わぁ……すごい勢いだね。


うーん、これはもしや様子がおかしい後ろの死体(?)と関係があるのかな……?






「えーっと、一応聞くんだけどね。何をしたのかな……?」






「……てへ?」






てへ?じゃないんだよ!?あざとかわいいなぁっ!!もうっ!!!




……じゃなくて






「い・ろ・は・さ〜ん??何をやらかしたんですか……?」






「え、えーっと関節と筋肉の間に金属片を仕込んで細胞と一体化させる技術を少々……?癒術を使ってるため、システム上では治癒されている状態なので治癒魔法では絶対取り除けないのです!!!」






いろはから研究ノートを手渡されたので、中身をパラパラ〜と見る。




うわぁ……すごい真面目に研究されてるな。


きちんと図解もあるし、医学書みたいなノートだな……




唯一の問題というかなんというか、前提条件として内容がとても教材にならないこと以外は完璧だけどね……






「すごい……ですね。うん。」






「ゆ、ゆ、ゆらさーん!?そんな諦めた目で見ないでください!この技術を応用したら肉体にも爆弾が仕込めるんです……!」






そんなことで釣られたり……つられたり…………?






「いろは、それって爆弾の遠隔起爆スイッチ自体も体に仕込めたりできます?」






「難しいですね……5cm四方のサイズじゃないと肉体と一体化した扱いにならないんですよ。」






「ふむ……なかなか面白そうな話だな。」






「ですよね……」






って、あれ?






「ラーネさん!?いつの間に???」






「あぁ、いや偶然今来たところだ。眷属が面白いものがあると呼んでいたのでな。うむ。視界共有で見ていたが中々によい。………ふむ、この技術実用化自体は可能だな。」






「「本当ですかっ!!!」」






「だが、この街では無理だろうな。そう、だな………第6の街『自治国家︙ジパング』に行くことができたら、まあ考えてやろう。」








知らない街来たァ……




まあ、第6とか言ってるしまだまだ先の話だよね……






「ゆらさん……私絶対ゆらさんのためにやり遂げますから!!!」






いろはの熱意すごいなぁ。まあ、役に立ちそうだからいいよね。


人間爆弾……楽しみだなぁ(ニコッ)








┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈








ゆら達を遠くから見つめる2人の影があった。








「あれが貴女ほどの人間が初めて自ら取った弟子……ですか。」






「えぇ……いい子達でしょ?アイツにも報告しとくといいわよ?きっと面白くなるでしょうし。」






「そうしておきましょう。我が主も喜ぶことでしょう。」











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例の主(????)



……儂も戦いたくなってきたのぅ。




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