第7話 ダンジョン探索

 ダンジョンは世界各地の様々な場所に生成される。


 ダンジョンが生成される原因は、主に魔素という魔物から放たれるオーラのようなものが関係しているらしい。魔素が一定の広さの空間で充満すると、ダンジョンができる。

 簡単に言えば、魔物がたくさん存在している場所には大体ダンジョンがある。

 基本はこの考え方で良いだろう。


 だがごく稀に、魔素の充満という理由では説明がつかないような、不自然な場所でダンジョンが生成されることがある。

 そうしてできたダンジョンは、ダンジョンと名付けられている。

 噂によると、普通のダンジョンの数倍は攻略が難しくなっているらしい。

 だがそんな難しいダンジョンを攻略することに成功した人が、たった3人この世界に存在する。

 彼らのことを世界の人々はこう呼ぶ。


 ―――冒険王ぼうけんおう


 さっきの兎たちの強さを考えると幸いにも、俺の入ってしまったダンジョンは突然変異型では無さそうだ。

 それなら可能性はある。

 どうにか攻略して、生きて脱出するぞ!


 だがむやみに攻略を開始するのは悪手だな。

 一旦、武器の整理をしよう。


 さっきの戦闘で俺は石を5個ほど消費してしまった。

 大体あと5個か。

 

 だが、このダンジョンは石で作られている。


 ‥‥‥ということは。


 「無限に石爆弾が作れるぞー!」


 俺は、さっき石を投げて出来た穴の近くで、石の破片を沢山拾い集める。


 よし、始めよう。


 「【能力付与 -呪-】」



************




 能力付与が終了した。

 大体40個ほど、石爆弾を作ることが出来た。

 

 「これだけあれば、ひとまずは大丈夫そうだな」


 俺は袋に石をしまう。


 そういえばCPがまた増えた。

 今の保有CPは255。

 そろそろ何かありそうで、とても楽しみだ。


 松明を持たずとも、何故かあたりは明るく照らされている。

 意外とダンジョンも親切なのかもしれない。

 まぁそんなわけないか。


 前には二本の道が広がっている。


 「どっちに行こう‥‥‥」


 俺は悩んだ末に左を選択した。


 この選択が吉と出るか、それとも凶と出るか。


 俺は左の道に入っていく。

 道はとても狭く、成人男性一人がちょうど入れるかどうかというレベルだ。


 身を縮めながら、前に進んでいくと、そこそこ広い開けた空間に辿り着いた。


 前を見ると、また二つに道が分かれている。


 次はどっちに行くべきか。


 頭を悩ませていると突然、額に水のような冷たい何かを感じた。


 「冷たっ! なんだ?」


 俺は上を見上げる。


 すると‥‥‥、


 とんでもなく大きな蜘蛛がよだれをたらしながら、こちらを見ていた。


 「このサイズは、無理だろ‥‥‥」


 今度こそ、死ぬかもしれない。

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呪われたギフト【能力付与 -呪-】が実は最強だった件 ~追放されて、呪いの武器を量産していたら、いつしか呪いの王と崇められるようになっていました。勇者なんてもう相手にならないけど大丈夫?~ 海原とまと @Umihara-Tomato

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