おあい屋の診察
月刊少年
第1話 悪夢
最初に見えたのは、壁のステンドグラスだった。眩しい光と色彩が三浦の網膜に染み込む。三浦は大理石の上で寝かされていた。体はなまりのように重く、まったく動かせない。視界の端でちらちらとろうそくのひかりが揺れるのが見えた。
ガチャリ。
扉の開く音がして、三浦は横へ視線を向けた。
女がいた。真っ白なドレスを着て、バージンロードの上にいる。足のかわりにのびた無数のリボンにくくりつけられた缶がぶつかり合ってカラカラと音を立てる。
女はバージンロードを進み、三浦の前にたつと、静かにその体をまたいだ。
ふともものむにゅっとした感覚を三浦はっきり感じた。
女の顔は端正だった。白い肌、はしばみ色のきれいな目。真っ白な指が、そっと三浦の首にてを伸ばし
びいいいいいいいいいいい
サイレンの音で三浦は目を覚ました。
ぼやけた視界がだんだんとくっきりして、自分の部屋が浮かびあがる。
___えっ
三浦の肋から腕が生えていた。
夢で見たのと同じ、細くまっしろな腕だった。
それは確実に三浦の首へと手を伸ばしていた。
おあい屋の診察 月刊少年 @warewareha__utyuujinda
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