第6話

始発の豪腕バスに乗り込んで、調度良い高さの肩に力なくもたれる。

眠いなら膝枕したげると言われたが断る。

けれど睡魔が襲ってきてるのは確かで、抗えるのも時間の問題だと思う。

昨晩、散々体を求められ搾り取られ俺は精も根も尽き果てていた。

奴は真逆でつやつや元気。

まだ足りないと不満の声を朝一で言われぞっとした。

次はもっと沢山しようねとキスされ、次は殺されるかもしれないと思ったりもした。

けど、いいか。

今日も俺の隣に居てくれる。

届かないのはたった一つだけだった。

それがまた、腹が立って性がない。

でも、いいか。


もたれ続けると、やれやれと言われ体を寄せられ結果膝枕。

重たいまぶたを開ければ、今にもにゃあおと言いそうな緑の眼が俺を優しく見つめてくれていた。

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届かないのは頭一つ分 狐照 @foxteria

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