夜を待つ

璃志葉 孤槍

 彼女は夜を待っていた。辺りが闇に染まるその時間ときを。皆が眠りにつき、静けさに染まるその時間ときを。

 燃え盛る日が落ち、ガラス玉のようにきらめく星たちが囁きだした瞬間から彼女は、となるのだから――



佐々波さざなみ! お前はまたこんな成績で……」

「わ、わかってますよ先生! 次はちゃんと頑張りますのでっ」

「次赤点だったら留年だからな」


 先生から成績表を受け取り、佐々波と呼ばれた少女は苦い顔をする。佐々波さざなみ結愛ゆあ。クラスでもトップレベルで勉強が苦手な女の子だった。しばらく黙っていると、先生が念を押した。


「留年だからな!」

「わ、わかってますって!」


 投げやりに返事をし、結愛は自分の席に戻った。そして机に上半身を寝ころばせ、うつ伏せの状態で項垂れる。くすくすとクラス内で笑い声が聞こえる中、結愛は顔だけを窓の方に向け、空を眺めた。雲一つない、透き通るような青い空だった。

 そんな劣等生を遠くの席から見つめるのは少し地味めな少年、真咲まさき

 同じ中学校出身だったが全校生徒の人数が多いいわゆるマンモス校で、特に接点もないまま同じ高校に入学。その二年目でようやく同じクラスになるもお互い話しかけられるタイプでもなかったため、夏に入っても未だに関わりはない。


 いたって普通の高校で、進学校でもないこの学校では勉強はさほど難しいものではない。にもかかわらず彼女は留年ギリギリで生きていた。

 部活動が必須なわけでもなく、部活に入っていない結愛は学校が終わればすぐに家に飛んで帰るような生徒だった。勉強できる時間は十分にあるはずだ。きっと家で怠けてゲームでもして遊んでいるのだろう。真咲はそう推測していた。


 家に帰った真咲は勉強をしながら夜になるのを待っていた。日が沈み、静けさが辺りを包んだ頃、真咲はランニングウェアに着替えて家を出た。

 軽く体をほぐすと、家の正面から続いている一本道を走り始める。毎晩家の周辺をランニングするのが、真咲の日課だった。


 二キロほど走った頃、真咲は思わず足を止めた。林に立つ一番背の高い木の上に人影がぽつんと見えたからだ。人が登れるような高さではない。息を整えながら、その影をじっと見つめる。

 長髪がなびき、月明りに照らされたその顔があらわになった。小さな顔に大きな瞳。劣等生というレッテルを貼っていたせいであまり意識していなかったが、お人形のような可愛い顔が特徴の女の子はあの、佐々波結愛だった。


「なんであいつがあんなとこに……?」


 じっと見つめていると、驚くような光景が見えた。結愛の頭に二つの犬耳のようなものが生えたのだ。さらに手を上に掲げたかと思えば一瞬の光とともに杖のような棒が出てきた。


「佐々波!?」


 思わず声をあげてしまった真咲は手で口を押さえるがもう遅い。自分の名前を呼ばれた結愛が驚いた拍子に足を滑らせ、すごい勢いで木から落下していく。


「とわわっ……、浮いて!」


 地面に叩きつけられる直前で結愛の叫びに呼応し、杖が結愛を上に引っ張る。そこにしがみつくことによって、なんとか怪我を免れた。


「わー、あぶな。咄嗟に魔法使えてよか……」


 そう独り言ち、呆然としている真咲と目が合った。しばしの沈黙が流れる。

 犬耳の生えた少女が杖を生み出し、さらに浮遊までしたのだ。脳が必死に処理しようとするも、理由付けがうまくできない。

 犬耳はカチューシャだと仮定して……他はマジックだろうか? なんて思っていると、彼女自ら喋ってくれた。


「ち、違うんです! ただちょっと魔法を使っておこうと思って! 人に見られてるなんて思ってもなくってっ!」


 そこまで必死に言い切ったところで真咲を見ると、まるで変質者でも見るかのような今までにない目に見られていた。


「……中二病?」

「ち、違うもん!」


 結愛は興奮気味にぐいっと顔を近づける。僅か数センチの近さで目と目が合う。結愛の瞳は夜空に輝く星々のように黄色く煌めいていた。ドクドクと心臓が脈打ち、息が浅くなる。結愛はハッとして顔を引っ込めると、今度は杖を見せてきた。


「私、魔法使いなんです。夜限定で」

「何その期間限定商品みたいな」


 結愛はツッコミを気にすることなく、杖をくるくると回してみせた。


「なんでもできますよ。さっきみたいに空を飛ぶこともできるし、炎とかも出せちゃうし。なんなら、過去や未来に行くことだってできます。……やったことありませんが」


 はにかみながら「見る?」と言うが、真咲は未だ信じていない様子。劣等生はおバカなだけでなく妄想癖もあったとは、と思っていると真咲の手が引かれる。その手を握っているのは、魔法使いと自負する結愛だった。


「他の人に見られてはいけないのです。でも見られてしまったので、ちょっといいもの見せてあげます」


 連れてこられたのは誰も通らないような森の奥。街灯一つなく、光源は月明りと結愛の持つ杖に埋め込まれた宝石のみ。


「ねえ、そろそろカラクリ教えてよ。なんのマジック?」

「マジックじゃなくて魔法です。うん、この辺りでいいでしょう」


 森の中の少しひらけたところに出ると、真咲の手を離す。そして自身の右手に持った杖を高く掲げた。


「聖なる力よ、我がほしのもとに雨を降らせ輝かん」


 雨を降らせるつもりかと真咲は咄嗟に空を見上げ、構える。構えたところで傘など持っていない真咲には防ぎようがないのだが、意図せず身を守るように体を強張らせていた。

 しかし何もこない。緊張を緩めると、結愛に声をかけていた。


「なに、失敗?」

「ううん、もうすぐです」


 掲げていた杖をおろし、じっと空を見つめる結愛。

 すると突然空がぴかっと光った。一瞬の出来事だったが、結愛はそれを見逃さなかった。


「来ます!」


 結愛が興奮気味に叫んだその時だった。空から大量の流星が降り注いだ。まさしく輝く雨のよう。

 一つでも珍しい流星がいくつも、空を覆い尽くすように降り注いでいた。


「す、すごい……」


 思わずそう言葉をこぼす。小さな魔法使いは成功したのがとても嬉しかったらしく、まるで小学生のようにはしゃいでいた。


「見てー、すごいでしょ! ほらほら、綺麗だね!」


 やがて星が流れ終わると、結愛は満足したようにその場に座り込んだ。


「ね、私が魔法使いって信じました?」

「うん。でも……」


 こんな芸当、マジックでは絶対できないだろう。あり得ないことだが、魔法以外考えられない。それでも真咲にはまだ納得いっていないことがあった。


「なんでなの?」


 結愛は真咲から目を逸らし、杖に埋め込まれている宝石を見つめる。何かを必死に考えているようで、少し顔を歪ませていた結愛はようやく真咲に真剣な眼差しを向けた。


「誰にも言いませんかっ?」


 満天の星のような目に意識を呑まれそうな感覚に襲われた真咲は、ごくりと喉を鳴らして我に返る。


「言わない」


 結愛はゆっくり立ち上がると真咲に杖を見せた。


「綺麗な宝石ですよね。これ、隕石なんです。月の石」


 白っぽく輝くその石は、よく見れば確かに表面がごつごつしていた。宝石なら綺麗に磨かれているのが一般的だろう。


「本来の月と同じようにこれも、夜じゃないと輝けない。これが輝くことによって魔法が使えるのです。そして魔法を使える理由がもう一つ」


 言いながら、結愛はワンピースのボタンを上から三つ、外した。胸が露出し、真咲は慌てて自分の目を手で覆う。


「ばっ、何してんだよっ!」


 顔を真っ赤にしながら、心臓を大きく拍動させる。指の隙間からちらりと様子を伺ってみると、目の前の光景に驚き、目を大きく見開きながらゆっくり手を下ろした。


「それ……」


 高校生にしては少し物足りない胸の谷間を両手で開いている結愛。ただ開いているわけではなく、皮を引き裂き、肉を開き、心臓があるはずの部分を見せている。が、そこに心臓はなかった。代わりにあるのは杖に埋め込まれているのと同じ輝きが一つ。


「私の心臓です」


 何を言っているのかわからない真咲は小さく首を傾げた。その様子に結愛は小さく微笑む。


「そうですね、少し昔話をしましょう」


 結愛が手を離すと開いていた肉が閉ざされ、引き裂かれた皮も元通りになった。

 常人だったら死んでいるはずだが、ピンピンしている彼女を前に真咲はもう驚かなくなっていた。本当に魔法が使えるのだから自己再生くらいできるのだろう。

 近くの木に背を預けるように座った少女の隣に座り、一緒に星空を眺めた。


「私は小さな頃から心臓病を患っていました。大人になることはできないだろう、と医師から言われていました。絶望でした。そんな時、月明りが街を照らす夜に一人の男性が私の元へやってきました。小学四年生の冬でした。男性は私に言ったのです。”キミの願いを叶えてあげよう”と。だから私は思わず言ったのです。”大人になりたい”と」


 一度閉口した結愛は少し呼吸を整えてから唇を舐め、また口を開いた。


「男性が自分の両手をぐっと握り合わせると、りんごが一つ出てきました。何の変哲もないただのりんごのように見えましたが、なぜだか惹きつけられるものがあるようにも感じました。男性はそれを食べるよう、私に促しました。一口かじると、とても甘くておいしいりんごの味が口の中に広がりました。ですがすぐに抗えないほどの眠気が私を襲いました。


 ”そのりんごには魔法をこめてある。僕の魔法をキミに託そう”


 意識を失う直前、その言葉を聞きました。数日後、目を覚ました私の病気は治っていて、すくすくと成長することができました。でも私にりんごをくれた男性の魔法使いさんは亡くなってしまったそうです。死因まではわかりませんが」


 ぽつりぽつりと語られるのは、おとぎ話にありそうなお話だった。つまり、作り話のように出来過ぎた話だった。


「夜になると胸がざわざわするのです。そして、男性の声が聞こえてくるのです。”魔法を使って、誰かを救いなさい。それがキミの使命だよ”と。いつの間にか魔法が使えることがわかりました。それが夜しか使えないことも。魔法の使い方も詠唱の方法も教わったわけじゃありません。でもなんとなくおぼろげに、私の脳内に浮かんでくるのです。きっと星の囁きでしょう」


 ほっと息をつく。話し終えてすっきりしたのだろうか。真咲を見ると小さくはにかんだ。


「信じます?」


 真咲は目を見開いたまま、ゆっくりと首を振った。


「……まったく」


 それを聞いた結愛は、はははっと涙が出るほど笑ってみせた。


「私も」


 未だ右手に持っている杖をくるくると回しながら、結愛は語る。


「今でも夢なんじゃないかって思うのです。その辺の記憶があいまいなので。でも私は――」


 おもむろに立ち上がると左手を腰に当て、右手に持った杖を地面にコンとついた。


「夜だけは、最強なのです」


 月明りに照らされた小さな魔法使いは美しく輝いて見えた。


「さ、これでお話は終わりです。みんなには内緒にしててくださいね、真咲くん」

「え、なんで僕の名前知ってんの」

「当たり前じゃないですか。同じ中学校だったし。高校も同じところに進学したじゃないですか」


 自分のことなど覚えられていないと思っていた真咲は、少しばかり胸が高鳴るのを感じた。


「ところでその犬耳は?」


 真咲に指をさされ、思い出したかのように小さく、あ、と呟いた。


「これは狼の耳です。夜になってこの耳が出てくると、魔法が使えるらしいです。あれです、狼男です。まあ私は女の子なので狼少女ですが」

「嘘つきってことか」


 少しいじわるそうに言うと、狼少女は頬を膨らませながら睨みつけてきた。そしてこう断言するのだった。


「私は一度たりとも嘘はつかないんです」


 次の日も、その次の日も。真咲と結愛は毎晩会うようになった。と言っても連絡先を交換しているわけでもなく、特に約束もしていない。真咲の日課であるランニング中に木陰から飛び出しては驚かしたり、逆に結愛が集中している最中に真咲が驚かしたりと、それぞれが偶然を楽しみながら過ごしていた。

 ある日、真咲は疑問を投げかけた。


「魔法が使えるからなんでもやりたい放題じゃん? いつもは何してるの?」


 それはごく一般的な問いだったろう。勉強をおろそかにするほど魔法に打ち込んでいる結愛。良からぬことに使わない性格なのは知っているが、人前でむやみに使えないのでは宝の持ち腐れというやつではないか、というのが真咲の見解だった。

 だが結愛はまるで何も想定していなかったとでもいうように首を傾げてしばらく考える。


「何も……してません」

「何も? でも、いつも魔法使ってるでしょ」

「あれは練習です。本当に必要になった時に咄嗟に使えるようにです」

「本当に必要になった時?」


 結愛は自分の両手を握り合わせ、りんごを一個生み出すと真咲に手渡した。まじまじと見つめるが、何の変哲もない普通の赤いりんごだ。


「これで救える命があります」


 結愛は自分の指を絡め、ぼうっと見つめる。そしてぽつりと語り始めた。


「この魔法は誰かを救うためにあるのだと、星たちに言われました。今この日本にはりんご一個で救える命があるかどうかはわかりません。でも、私が生き、あの男性魔法使いさんのように人の命を救えるような魔法使いに、私はなりたいのです」


 壮大な夢だ、と真咲はそんな簡単な感想しか浮かばなかった。きっとその夢がどれほどのことなのか、想像がつかなかっただからかもしれない。


「他人に対する想いはわかった。でも夢って自分のために叶えるもんでしょ? そういうのはないの?」


 悩み始める結愛。真咲は握っていたりんごを一かじりすると、結愛を真っ直ぐ射抜くように見つめた。


「例えば僕は、将来教師になるんだ。たくさんの子どもを正しい道に導くんだ」


 結愛の瞳孔が開く。そしてすっと息を吸った。


「私は……」


 恥ずかしいのか、小さな声が出た。しばらく黙っていると、おもむろに背中を向け杖を掲げては呟く。


「天に花咲け、我がほしに呼応せよ」


 振り向き見せた表情は微笑んでいた。少し寂しげに、悲しげに、不安げに。

 天に色とりどりの花が咲き誇る。大きな音を立てて、街を照らしていく。


「大人になります。お医者さんが無理だと言った大人に。あの男性魔法使いさんから頂いた命を無駄にしないためにも」


 その真意は真咲にはわからなかったが、ぐっと固く握った拳が決意を物語る。真咲は小さく微笑むと小指を出した。


「じゃあ約束。お互い、夢を叶えよう」


 その指より一回り小さい指が絡まった。


「はい、約束です」


 それからしばらくして、冬がきた。冬は日照時間が短く夜が長いため、魔法使いとして活動できる時間も長くなる。とはいえ、ずっと起きていられるわけでもないため、結愛の活動はそこまで変わらない。

 昨夜降った雪によって銀世界に変えられた通学路を退屈そうに歩く真咲は、道中猫と戯れる結愛と出会った。夜出会う時とは違う、普通の女子高生だ。


「遅刻するよ」

「急いで事故にあうより、気を付けて行って遅刻したほうがいいじゃないですか」

「気を付けながら遅刻せずに学校に行くっていう選択肢はないの?」

「わ、にゃーって鳴きました。かわいいですね」


 話も聞かずに猫と会話をしだした結愛。真咲も触ろうとすると猫は威嚇しながら逃げてしまった。


「猫さんに嫌われるタイプですか?」

「うるさい、行くよ」


 少し恥ずかしくなった真咲は急旋回し、一歩踏み出した。


「真咲くんッ!!」


 結愛に名前を呼ばれた真咲の体は硬直する。名前を呼ばれたからではない。目の前でスリップした大型トラックが真咲に向かって倒れかけていたのだ。それに気づいた時にはもう手遅れ。横向きで倒れかけているトラックが止まることなど、重力がなくならない限りはあり得ない。真咲も突然の出来事に体が動かない。

 時間に反比例するかのように思考は今までにないほどの速さで巡る。だが今この現状を打破できる方法は思いつかない。それを考えていたのは恐らく一秒にも満たなかっただろう。そしてその先に起こった出来事も想定してはいなかった。

 大型トラックに潰される直前、真咲の体は歩道に投げ出される。転がりながらトラックが倒れる音を聞いた。

 ガードレールに頭をぶつけた真咲は痛みを堪えながら、ゆっくりと顔をあげる。そして目の前の光景に絶句した。

 トラックの荷台に首から下を押しつぶされていたのは、真咲を突き飛ばしたであろう結愛だった。

 真咲は心の中で否定する。


 嘘だ……。こんなのは夢だ……。


 現実逃避しかけた真咲が我に返ったのは、結愛の表情がわずかに動いたからだった。

 震えながら駆け寄り、言葉をかける。


「佐々波! しっかりしろ!」


 トラックの荷台との隙間からぬるりとした赤い液体が広がる。

 結愛は顔を歪ませながら、虚ろな目を向けてきた。弱々しい息を吐いているが、意識はあるようだ。


「急ぐと事故にあうって……言ったじゃないですか……」


 今にも消え入りそうな声を出す結愛。右手は動くようで、隙間から出すと真咲の頬に伸ばしてきた。その手をぐっと握りしめる。

 周りは「救急車を呼べ!」だの「坊主、離れろ!」だのと騒がしかったが、真咲の耳に届くのは結愛の消え入りそうな声のみ。


「大丈夫……だよね? 佐々波には魔法があるから……」

「魔法は……夜限定ですよ……」


 魔法が使えなければ、結愛はただの女子高生。これほど大量の血を流して助かるとは到底思えなかった。


「夜まで頑張って持ちこたえれば……」

「真咲くん……」

「最強なんでしょ……」

「……真咲くん、聞いて」

「大人になりたいって……」


 真咲は悔しげに言葉を叫んだ。


「大人になるって、言ったじゃないか! 一度たりとも嘘をつかないって言ったじゃないか! こんなところで死んだら、大人になれないだろ! 佐々波の……嘘つき者!」

「真咲くん、聞いてください」


 結愛は真咲の手を振りほどくと、真咲の頬に手を添える。


「私は誰かを助けるために命をもらいました。そして今がその時なのです。あなたを助けられて、私は……幸せ者です……」


 真咲の頬を伝う涙を、震える手で拭きとった。


「自分の命と引き換えに誰かの命を助けることが、魔法使いの使命なのですよ……」


 真咲の頬から、血まみれの手が離れた。結愛の心臓である月の石は光を失ったまま、ピキッとひび割れる。


 真咲は夜を待っていた。辺りが闇に染まるその時間ときを。皆が眠りにつき、静けさに染まるその時間ときを。

 燃え盛る日が落ち、ガラス玉のようにきらめく星たちが囁きださなければ、魔法使いはにはなれないのだから。

 真咲は虚しさを抱えながら天を仰いだ。月が輝けない空は、嫌になるくらい明るかった。

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