第22話 テントマン

「……じゃあ、ありがとうございました」


「こちらこそ、ありがとうございました」


 前かがみになると、藤乃ふじのさんのおっとり爆裂なおっぱいの谷間が見え隠れする。


 それによって、俺も思わず前かがみしそうになった。


 でも、せっかくカッコよくしてもらったのに、それは情けなく申し訳ないから。


「また、会いましょうね」


「えっ?」


「あっ……またのご予約、お待ちしております」


 ニコッ、と微笑む。


 まあ、営業スマイルだろう。


 でも、良いんだ。


 これから、ゆっくり時間をかけて、攻略して見せる。


 俺の夢の熟女ハーレムを作るためにも。


「ありがとうございましたー」


 カラン、と涼やかなベルの音。


 髪を切ると、世界が変わるようだ。


 周りの人たちも、街並みも、何も変わっていないのに。


 やはり、世界の中心は、自分なんだな。


 気の持ちようで、全然変わって来る。


「それにしても……どうしようか」


 そんな清々しいハートとは裏腹に、俺のジュニアはギンギンだ。


 ズボン越しでも分かるこのビッグサイズ……さすが、主人公だぜ。


 なんて言っている場合じゃない。


 下手すれば、これはわい陳、補導案件だ。


 どうしようか……


「……あら、元則くん?」


「えっ?」


 そのしとやかな声の主は……


「……し、志津子しづこさん」


 極上のアラフォー美女がそこにいた。


 清楚ながらも、その内に秘めたエロスがムンムン。


 実際問題、周りのオスどもが、そのフェロモンに釘付けだ。


 彼女や嫁さんがいるくせに。


 さすが、俺の志津子さんだぜ……


「奇遇ね、こんなところで」


「そ、そうですね」


「というか……髪、切ったの?」


「あ、はい」


「すごい……ますます、かっこよくなったね」


 照れながら言うこの女性ひとが、可愛すぎた。


 ギンギンギンギンギン!


「……志津子さん、今日はオフですか?」


「ええ、そうよ」


「いま、時間ありますか?」


「へっ?」


「俺、ちょっとヤバくて……」


 と、うなだれるように視線を下げる俺にならって、志津子さんも目線を落とす。


「……あっ」


 すぐに察してくれたようだ。


 口元に手を当てて、目を見開く。


 ほんのり、顔が赤く染まって来た。


「も、元則くんってば……もしかして、私のせい?」


「えっと……」


 半分正解で、半分まちがい。


 でも、ここは……


「……そうです、志津子さんが可愛すぎて、つい」


「もう……だったら、責任を取らないといけないわね」


 志津子さんの表情が、急につやっぽくなる。


 可愛らしい人だけど、何だかんだ、大人の女性。


 いや、恐れ多くも、彼女をこんな風にしたのは俺かもしれない。


「私のお家まで我慢できる?」


「まあ、何とか……ちなみに、娘さんは……」


「彼氏とデートよ♪ ああ、まだボーイフレンドかしらね?」


 どうやら、あっちサイドも、それなりに上手くやっているらしい。


「でも、本当に……すごいわね」


 志津子さんは、俺のテントを見て言う。


「申し訳ないです……」


「ううん、謝ることはないけど……」


 と言いつつ、志津子さんは俺の前方に回った。


「こうして、隠してあげた方が良いかしら?」


「あ、ありがとうございます……」


 と、さすがの気づかいに感謝しつつも、俺は改めて気が付く。


 志津子さんは、その愛に溢れたIカップの巨乳も素晴らしいけど。


 お尻も、すごくエロいんだ。


 ふんわり、スカート越しにも浮かぶ、エロヒップライン。


 俺は本当に無意識の内に、突撃していた。


「きゃっ!?」


「ハッ……!?」


 お互いに驚く。


 いや、俺は加害者のくせに、なにを言ってんだよ。


 案の定、志津子さんが、ジロッと睨んで来る。


「元則くん?」


「ご、ごめんなさい、ごめんなさい!」


「……気持ちは分かるけど、ちょっと興奮し過ぎちゃうから……お家まで、我慢してね?」


 いつも優しい志津子さんが、少し怒ったような顔で言う。


 これ、マジ、たまらん。


 けど、我慢、ガマンジュー。


「その代わり、お家に着いたら……好きなだけシて良いよ?」


「……ありがとうございます」


 もはや、この女神さまには、感謝しかない。







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ギャルゲー世界でヒロインの母親たちと恋します 三葉 空 @mitsuba_sora

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