【検証】〝Cフラットの恋〟は理論に叶っているのか?
皆様お早う御座います、まちかりです。
〝Cフラットの恋〟,御確認頂けましたでしょうか? まちかり的には良質の小説だと思えたのですが、好みもありますし、何と言っても〝BL小説〟ですから内容的に取っつき難いと思う方もいらっしゃるかもしれません。
まちかりは、少なくともこのぐらいスラスラ読める小説を書きたいです。音楽の専門用語は難しいのですが……おや? 専門用語?
ヘンですね? 編集部様的にはこのような専門用語は「読者にはハードルが高い」と避けそうなものですが?
出ました! ゴールが動いています! 編集部様的には避けて欲しい専門的記述を、許容してしまいました! まちかり的には驚くに価しません。小説が面白ければ指針など幾らでも変更する、それが公募と……編集部様の大人の対応というモノです。
せっかくですので、問題作〝Cフラットの恋〟はどこまでこのコラムで挙げた〝編集部様のご要望〟に沿っているか、検証してみましょう。
前提となる条件は以下の通りです。
①あまり複雑ではない“普通の”世界観の中で
②そのキャラを追っているだけでもいい、とても可愛い女性キャラが出ていて
③あまり特別でない“普通”のイベント(部活など)の中で
④銃とか普通の人に馴染みの無い道具を使わずに
⑤早い段階から事件が起こり、話が進んでいく。
……おや? 様子が変です。冒頭から波乱です。
①あまり複雑ではない“普通の”世界観の中で
確かに異世界とか転生とかの無いお話ではあります。ピアニスト、という職業(?)もまあ違和感はないです。ですが〝調律師〟ともなると違和感アリアリです。
皆さん、調律師って会ったことありますか? まちかりはないです。確かにそういう仕事があることは知っていますよ、もちろん。楽器のチューニングをしてお金をもらう、それも知っています。ではどんな作業をしているのかはご存じですか?
まちかり、知りません。畔戸様の小説読んで、初めて活字で読みました。それでも知ったうちには入りません。あくまでイメージだけで、「何となくこういう作業なのではないか?」と思ったぐらいです。
これって〝一般的な世界観〟に入るのでしょうか?
もちろん、主人公も相手も普通の人です。宇宙人でも未来人でもエスパーでも異世界人でもありません。ただ、肩書が〝ピアニスト〟〝調律師〟 なだけの普通の人です。しかしその肩書が読者を非日常にいざなっているのです。
スゴイと思いませんか? 異世界でもない普通の世界なのに、キャラクターの肩書だけで〝楽器の世界〟=異世界にいるんです。現実世界なのに非日常、なんてスゴイやり方ではないでしょうか?
②そのキャラを追っているだけでもいい、とても可愛い女性キャラが出ていて
女性キャラと書いていますが、もちろんBL小説なのでメインに女性は来ないです。
しかし、
登場シーンから大人に嚙みつく(物理攻撃!)! 自分の意見を頑として曲げない! こだわりの塊! まさに主人公の要素=そのキャラを追っているだけでもいい素晴らしいキャラです。
③あまり特別でない“普通”のイベント(部活など)の中で
これも非常によく出来ています。
まず〝ピアノが弾けるようになるのかならないのか〟という〝ピアニスト〟というキャラクターにとって究極のイベントがあります。それと同時に恋バナが絡んでくるという……ああっ、難しい! こんな複雑な構成、よく書けますね?
まちかり、BLのアイデアもあります。しかしここまでの話を書けるか、はなはだ疑問です。BL小説界隈はこんなすごい人がゴロゴロしているのでしょうか?
④銃とか普通の人に馴染みの無い道具を使わずに
ここは全く条件に合ってません、編集部様、ゴールを動かそうとしましたね。
まちかり、楽器にはとんと疎いです。ピアノにいろんな種類があることは知ってましたが、文章に起こすことはありません。調律の仕事もあることは知ってますが、内容までは知りません。
この小説はピアノと調律がないと成立しません。
「楽器等の専門用語は読者にはハードルが高く、とっつきにくい恐れがあります」
こう書かれてもおかしくないと思うのですが、そういう評価にはなりませんでした。まさにゴールが動いたんだと思います。
⑤早い段階から事件が起こり、話が進んでいく
このお話、展開はスムーズでテンポが良いです。何といっても第1話のラストで
◇
総じて見れば、編集部様的にはかなり異質な物語です。それでいて出来が良い上にエロがない!
編集部様の苦悩が手に取るように解ります。こんな作品をどう扱ったものかと悩みに悩んだことでしょう。
しかし最後には商業的判断が勝ったんだと思います。
「エロがないと売れない」
かくして畔戸ウサ様の〝Cフラットの恋〟は大賞目前にして落選となりました。
今回、読ませて頂いて検証したのですが、大賞目前まで行く作品のポテンシャルは実感出来ました。こんな作品がゴロゴロしていると思ったら、衝撃です。
と同時に、〝小説が面白ければ、ゴールは動く〟は確認できました。小説そのものが面白ければ特殊な設定も、専門的な単語も編集部様は目をつぶってしまうのです。
◇
ここまでの検証を見て、皆様がどう思われたかは判りません。
まちかりはどうするのか?
まちかり、次の作品は好きなように書きます。アイデアがテンプレを許しません。
書籍化を夢見ていますが、どうやらまちかりの思考回路では、上記のライトノベルのテンプレに当てはまる作品は今は書けないようです。
あきらめたわけではありません、いつか書籍化は実現したいと思います。
これからも拙作を宜しくお願い致します。
書きましょう、皆さん!
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