第4話:受賞する作品とは?【考察及び実例】

 さて、とにもかくにも皆様の目標は、


「公募に入賞したい!」


 この一言に尽きると思います。


「後先なんて考えてない! 自分の小説が本屋さんの店頭に並ぶのを見たい!」と云う思いがヒシヒシと伝わってきます。では、入賞する作品とはどういう作品だとお考えでしょうか?


 それはズバリ!


〝入賞した作品〟です。


「おいおい、そんな当たり前のことを書いてんじゃねーよ!」


 お叱りの言葉が飛んできそうですが、とりあえず落ち着いてお聞きください。


 ライトノベルの書き方を説明する本やネット情報はたくさんあります。曰く


「時系列に沿って話を進める」 

「〝戦いは続く〟みたいな終わり方はしない」……エトセトラエトセトラ


 まちかり、そんなこと全く知らずに初めて書いた小説では当然全部無視して書いてました。それでもKADOKAWA様のスニーカー大賞で一次選考を通過しました。


 この時書いたのが、なろう様に掲載している〝あなたをおいしくいただきます!〟です。初稿ではハチャメチャな文章でしたが勉強の甲斐あって今では小説の体をなしています(笑)


 その後二次選考で落選したまちかりは友人の薦めもあり、改稿して電撃文庫大賞に応募したのです。やはり一次選考を通過、二次選考で落ちるといったお約束の結果だったのですが、その時大賞を取ったのが、


〝○クセル・ワールド〟


でした。


 まだ意欲的だったまちかりは〝○クセル・ワールド〟が販売されるとすぐに本屋に行って購入、読みました。


 確かに面白い、ページをめくる手が止まりません。しかしそれ以上の衝撃がまちかりを襲います。


「なんだ? ヒロインの謎の過去に話がとんだぞ?」

「戦いは続くエンドだと?」


 何ということでしょう! 上記ライトノベルのお約束などことごとく打ち破っているではありませんか!


 お解り頂けたかと思います。


「ゴールが動いた」のです。


 お約束など無視してもいいほどの良さが〝○クセル・ワールド〟にはあったのです。


 ここで冒頭の話に戻ります。入賞する作品とは〝入賞した作品〟なのです。我々の目指すゴールはサッカーやバスケのゴールのように固定されたゴールではありません。次のヒット作を探す、暗中模索の編集者の目に止まるような作品……「ゴールが動いた」のではなく作品自体がゴールなのです。


「そんなこと言われたら、何を書いて良いか判らないよ」と云う声が聞こえてきます。ごもっともごもっとも。しかし〝○クセル・ワールド〟にしても、決して野放図に書いているわけではありません。ある一定のコトは守っています。次回からはその辺のコトを書いていこうと思います。

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