第5話:どんな世界がお好みですか? 【考察及び実例】
さて、ここから各論に入っていきます。まず最初に
「どんな世界を描くのか、描きたいのか」
からまいりましょう。
皆さんは小説を書くときに、どこから考え始めますか?
小説の舞台となる世界観ですか? 魅力的なキャラクターですか? 疾走するメカですか? なるほど、どれも重要なファクターですね。
まちかりは少し違います。まずイメージビジュアルが浮かんで、「こんな世界が描きたい」というところから入ります。大体、一番最初にメインキャラクターが決まり、そしてそれを成立させる世界の法則が決まります。それから本筋のエピソードを考えていって、からんでくるサブキャラクターが形作られます。これを実際に行ったのが、9月にカクヨム様で公開しようとしている“ケンメリ -ロードランナー新世界爆走中!-”という作品です(以下、ケンメリ)。それ以外にも“国土交通省URAサービス”も同じように創作しました。
まちかり、“ケンメリ”をまず小学館の〇ガガ文庫様の公募に出しました。なぜ〇ガガ文庫様なのかというと、版元の〇学館様が自動車雑誌やバイク雑誌を出しているので、車やバイクの小説へのハードルが低いかも、と思ったのです。
相変わらず一次選考を通過し、二次選考で落選したまちかりに届いた講評にはこう書かれていました。
「新世界の説明が長い」
そうです、賢明な書き手の皆様ならお解り頂けると思いますが、新しい世界を作るということは、その世界がどういう世界であるかを説明しなければならないのです。それは衣食住から政治・経済から町の外観に至るまで、すべてを説明しなければなりません。そこをまちかりは5ページに渡って説明していました、そりゃ長くも感じるだろうなというのが今の気持ちです。
そこでまちかりはこの世界観を作品全体に散りばめる作戦に出ました。いまカクヨム様に公開している“第十三魔法機動捜査班!”(以下、第十三)という作品があります。これは“ケンメリ”からスピンオフした作品で、世界観の説明は元作品のそれに準じています。宣伝するつもりはありませんが、読んで頂くと考察がより解り易いかと思います。
改稿した作品を〇談社ラノベ文庫新人賞に応募しましたが、こちらは一次選考で敗退、次にはG〇文庫大賞に応募しましたが、“第十三”は一次で敗退、“ケンメリ”は二次で落選しました。
前にも書きましたがG〇文庫様の講評は、まちかりが思うに書き手に寄り添っています。一次選考落選でも講評を頂けますし、「選からもれた理由を頂ければ幸いです」と書いたら事細かに書いて頂けました。
そのG〇文庫様の講評にはこうありました。
「作品そのものの舞台や設定などもとっつきにくい部分があるのは否めません」
まちかり、衝撃を受けました。柔らかく書いて頂いてますが、ぶっちゃけて言えば
「世界観が拒否される恐れがあります」
ということです。
大問題です! 世界そのものを拒否されたら小説が成り立ちません! どう対処すればいいのでしょうか?
すでにある世界を題材にするしかありません。
思い出してください、“〇クセル・ワールド”の舞台はどこですか? そう、オモテは高校生活、ウラは電脳世界。すでにある世界なのです。
確かに電脳空間も新世界とは言えますがこれだけゲームになじんだ世界ならば、読者の皆様それぞれが自分の電脳世界を想像できます。
ちなみにまちかりが敗退したG〇文庫大賞第14回後期の入賞も、
「〇約破棄された没落貴族、〇婚チートを封じて純愛に生きる」=異世界貴族?
「〇人乙女に優しいギャル」=現代劇?
「〇キャになったのに陰キャにばかりモテる俺」=現代劇?
となっています(すいません、読んでません。間違えていたらごめんなさい)。
これでお判りですね。読者に自然に読んでもらうのに、あまりこねくり回した世界=作品はマイナスなのです。決して皆さんの創作を否定するものではありませんが、編集者様側からすれば、「そういった作品はリスクがある」と認識されているのです。
お解り頂けたでしょうか?
しかしながら、まだまだ創作におけるリスクは転がっているのです!
次回また、別な創作のリスクを指摘していこうと思います。
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