最終話 春休みを超えて

 そして14日。ちゃんともらったけど返せてない人にお返しをして、小春さんがほかの子に配っているのを眺めている。色が違うとはいえほぼ同じもの作ってきたのがばれてそうだから、つまり関係性もばれていそうだけど...そこだけ不安だ。

 まぁ、ちゃんと味とかも変えて、仲いいから一緒に作ったんだよーって根回し?したからきっと大丈夫。変なフラグにならないといいけど。


 そして卒業式。といっても私たちのじゃなくて、一つ上の先輩たちの。私はあまり関わりのある先輩が多くないし、もともと人と関わらないタイプだったからあまり泣いたりはしてないけど、他のみんなは部活動だったりで仲良かった先輩も多かったみたい。結構泣いていた。あとはブローチを先輩につけたり。でも卒業しない学年は大体座ってるだけだ。あとは、第二ボタンをもらったりしてた人もいたみたいだけど、女子の制服にはそういうのないし。来年を想像するとそれはちょっと寂しいかも?

 そして次の日は終業式。こっちは来賓がいないから正直楽だ。あまり難しいこともやらないしね。とはいえ、一年分の成績が戻ってくるのはちょっと怖さもある。あまり前期は成績よくなかったし...。

 留年の心配とかがないのがせめてもの救いだった。


 そして春休み、宿題のない休みなんて普段ないから、思い切ってとある夢の国に来ています。人が多くて倒れそうだけど。

 ジェットコースターとかあまり乗らないからフラフラになったり、ちょっとおしゃれな食事をしたり、その時に鐘の音が鳴って、結婚式をやってるっぽいほうを見たり。私もいつか結婚とか、するのかなぁ。今の彼女と?それとも違う人?ましてや異性?同性?それすらもわからないけど。今の私には夢のまた夢だから、あまり気にしないことにした。

 そのあとも連れまわされて、それはそれはへとへとになった。


 こうして思い出の写真は増えて、一生モノの思い出が増えて、かけがえのない気持ちが増えて、あっという間に季節は巡っていく。そんな今の人生はとても楽しいし、幸せだ。

 もちろん、前世が幸せじゃなかったわけじゃないけど。前世は前世で、別の幸せはあったし。きっと現世と前世って、比べるものじゃないとは思う。

 もちろん、こんな幸せだと、時々不安になることもあって、これからも続く問題もいっぱいあって、それはそれで大変だろうけど、きっと私なら大丈夫。いや一人じゃ無理でも、きっと誰かに助けてもらって、乗り越えられる。そんな気がするから。


 そして5年後。

「ふぅ。とりあえず荷物は大体届いたけど。」

「すでにだいぶ疲れちゃったよ~」

「そうだね~、でも先に片付けやっちゃお?」

「ひゃ~い...」

 私たちは大学を出て、今年から社会人。今は、私と小春さんの引っ越し作業中。そう、私たちは今シェアハウスをしてるんだ。

「そういえば、引っ越しの最中にアルバムを見つけたんだよね。」

「あ、見たい見たい!でもちょっと恥ずかしいな...」

「私たちが出会ったのは入学式のちょっと後だったよね」

「あの時、私どっちかというと嫉妬してたんだよ?」

「え、そうなの!?どうしてどうして?」

 こんな感じで、私たちは今日も?今日から?仲良く暮らしていきます。きっと、ずっと。

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こんな私が恋を知って なし @NashiSan

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