第35話 ホワイトデー・リベンジ

 今日は3月13日、つまりホワイトデー、イブ!といってもそんな言い方してる人は見たことないけど。

 そんなわけで私の家でお菓子を作っている最中。メンバーはいつもの皆なので、正直ちょっと狭い。もともと小春さんにあげられなかった分と、小春さんがみんなに渡す分を作ろうとしてたので誘っただけだったんだけど、

「え、お菓子作るの!?楽しそう!」

「そういえば、知花ちゃんの部屋見たことないかも」

「ねぇ、私たちも行っていい?」

 なんて感じで、6人。正直キッチンに6人入るわけもないし、皆は別で作ったり作らなかったりするみたいだから、リビングでゲームをやったりしてる。ってお母さん、アルバムなんか見せないで!

 母親からアルバムを取り上げて軽く怒った後、マカロンを作りにキッチンに戻って、やっとスタート。マカロンって特別な人にあげるらしいから、みんなに作りたいんだよね。小春さんがクラスメイトに上げる姿を想像したら嫉妬してきたけど、見ない見ない。小春さんは私が一番好きって言ってるし?同性だから、そういうことを考える人もいないはずだし?

 普段から料理をしないことに定評がある私なので、正直今回も心配だ。といってもメレンゲを作って乾かして、焼いてクリーム挟んでって感じで、難しくはない...らしい。そういってたのは料理が上手な小春さんだからで、たぶん私が一人でやったら慌てふためきそうだ。

 そんなわけで私は基本的に粉をふるったりで、まかせっきりになっちゃう。実際甘えやすい性格とか人柄は、好きなところの一つだと思う。

 そんなわけで大体やることも終わって、1時間くらい暇ができてしまった。


 そんなわけで、みんなでゲームをやることに。とあるボードゲームをゲーム機でみんなでできるあれだ。なんでこれかって?もちろん頭脳でできるから...

 とか言ってたら負けました。そうだった、忘れてたけどみんな結構頭脳派なんだった。オセロで64枚全部埋められたり、トランプ系のゲームでぼろ負けしたり。やっぱり不運属性、あるのかな。

 そのあと某レーシングゲームとかもやったけど、ぼろ負けした。もともとゲーム苦手だからそういうゲームを避けるようにしてたんだけどさ。


 そんなこんなでわいわいしてたらあっという間に1時間くらい経って、とりあえずマカロンづくりに戻る。これ以上ゲームやってたら、私が負け続けて不貞腐れそうだし。

 間に挟むクリームを作って、オーブンを予熱して、マカロンの生地?を焼いて、挟む。そして大体かんせーい!

 紅茶を出して少し試食タイム。うん、おいしい。私全然何もやってない気がするけど。いつも小春さんの手際の良さに助けられてる。もっと頑張らないとなぁ。

「そういえば、もうすぐ知花っちと仲良くなって1年だよね」

「そっかー、もうそんなに経つんだね」

「つまりもうすぐクラス替え...」

「寂しくなるね~」

「来年はまた一人かなぁ」

「そんなことないでしょ、何かあったら見に行ってあげるよ」

「うぅ、神様仏様柊様」

「そこまで言われると照れるけど...」


「でも、それくらいみんな大切だし、大好きだよ」

 そう言いたかったけど、恥ずかしくて言えなかった。いつか、言える日が来るといいな。

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