第4話おばあちゃんのテレビ

おばあちゃんがテレビを買い替えた。

久しぶり、おばあちゃんと電話したら、自然とテレビの話になった。


「ばあちゃん、テレビ新しく買ったんだって?」


「うん。前のテレビが映らなくなったからね」


「何インチ?」


「30インチ」


「結構大きなテレビだね」


「年寄りだから、画面が大きくないと何が映っているのかわからないからね」


「いくらだったの?」


「6万円したよ」 


「6万円かぁ〜、安いね。で、どこのメーカー」


「どこのメーカーって、テレビを作った会社かね」


「うん。テレビに印してあるでしょ?メーカー名が」


「あぁ〜、この英語かね?」 


「うん。何て書いてある?」


「……YANMAR」


「は?ヤンマー農機具じゃ無いんだから」


「TОSH……」


「TOSHIBAか」


「うん」


「ばあちゃん、僕もそうだけど、テキトーだよね?」 


「難しか事は分からんからね」  



ばあちゃんは、何でも電化製品のメーカーはヤンマーと言っていた。

そのばあちゃんは、98歳まで生きて大往生したのである。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕と会話する面々 羽弦トリス @September-0919

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ