2話 病み系少女との出会い

2話 病み系少女との出会い

 次の日。

 メールにあった通り、複数の怪死体が発見されたことがニュースで報じられた。そして、メールが届いた。

「では、ネット図鑑を埋めていただくお話をいたします。

 ネットに蔓延る人たちの概念化した存在である、ネト獣を捕獲していただきます。ネト獣は一般人には見えず、ネット図鑑登録者のみが見えます。

 捕獲せずとも、十分な情報を集めれば殺害してもOKです。

 登録者の住む地域に合わせ、ネト獣関連情報を別途メールで送信しています。装備品もまもなく届きます」

 こう書いてあった。

 柳のもとには、「ネト獣:病み系少女」というメールが届いていた。

 そして、玄関にダンボールが置いてあった。中には指輪と木の枝が入っていた。

 何だ、この指輪。そう思いながらも、体が本能で指輪を求めるかのごとく、手が動いていく。柳は指輪をはめてみる。そうすると、指がどこかに引っ張られていく感覚があった。恐怖を感じて指輪を外そうとするが、外れない。指輪の引く力はだんだん強くなっていた。


 指輪に強制的に引っ張られ、どこかに連れて行かれる。

 まさか、さっき書いてあったネト獣のところへ……。柳は不安だった。

 引っ張られた先には、何もなかっ……、あった。そこにいた。いま世間で地雷系と言えるような服装、メイクをした少女がそこにいた。それを囲むように数人のアラサーと思しき男がいた。

「ねえお嬢ちゃ……」

 そう言って一人のアラサー男が近づいていった。

 少女は男を一瞥すると、なにか呟いた。

 男は悲鳴を上げ始めた。

「あああああ、痛い、痛い……助けてくれ、足が、足が俺の足が、」

 近くにいた他の男が声をかける。

「おい、何いってんだよ足?何もなってな……い、」

 そういった瞬間、男の股付近から血が吹き出した。そして、腰と足の接着面をスライスしたかのように、ズレた。男の足が切断されたのだ。

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ネット図鑑 月簡 @nanasi_1

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