再会

 卒業文集の夢は叶えられただろうか。なりたい自分とやらになれただろうか。もう皆の想像しているような優等生ではないし、打たれるほど長い釘にもなれなかった。

それが自分の体の深いところに刺さっていた。でもそんなこと考える必要なんてない。だから自分を責めなくていい。斜に構える必要もない。世界は思っているほど複雑じゃない。店員に案内されながらそんなことを考えていた。個室から笑い声が次々に飛び込んでくる。店員の足が止まったところで、昔より低いが何となく持ち主の分かる声が聞こえてきた。


 隣の参謀に少し待ってくれと頼んで目を閉じた。一人で抱えこむのが強い奴なんだと思っていた。でも本当に強いのは周りに頼ることができる奴だったんだ。


 大きく深呼吸をして襖を開けた。視線が一点に集まるのを感じる。これが痛いってことか。胸が潰れそうなほど心細い。でも何故か清々しかった。


 


 


 

 

 

 

 

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再悔 ざぶーん @writeboom17

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