SISU/シス 不死身の男

 シンプルッ!

 実にシンプル!!

 難しいことは考えなくていい!!!

 無口で殺意度の高いハードボイルドおじいちゃんが、ツルハシ片手に悪のナチス軍をボコる、ただそれだけの映画だ!!!!

 しかも、過去のうらみつらみというよりも、今現在──自分が掘り当てたきんを、取り上げられてムカついたから、取り返そうというカラッカラに乾いた理由なのだ。

 恋人のため! とか。

 家族の復讐! とか。

 はたまた、正義のため!! とかは、感じられない。

 多少、おじいちゃんもナチスに思うところある過去があるんだけど、その辺の掘り下げは他人の口からさりげなくしかないので、観客の受け取り方ひとつって感じでした。


 ハードボイルド好きな人とか、マッドマックス好きな人にブッ刺さりそうな映画だった。



 ▲▼▲▼



 さてさて、この映画の何がすごいって? 

 まず、おじいちゃん本当に人間? って疑いたくなるくらいに本当に死なない。

 イテテテテテ! ってなることはあるけど、死なない。

 それから、女子も死なない。

 地雷原を歩いても大丈夫。なんていうか、地雷の方が避けてくれてそうまである。

 けど一つ許せないことがあるんだ……!

そう、馬だけは尊い犠牲になってしまうってとこ。

 お馬さんは監督の守りたい対象では無かったらしい。でも、お馬さんのお陰でおじいちゃんは地雷でぶっとんでも死ななかったんだ。……いや、そもそも地雷で吹っ飛んで、どうしておじいちゃん元気なの?

 そして、やっぱり犬は死なない。

 ちなみに、ネタバレをすると敵は一人を除いて鏖殺である。



おじいちゃん伝説★1

 アアタミ・コルピ。多分、フィンランドの妖精。

 使い古しのツルハシ1本で、ナチスの戦車隊と戦うオレ強すぎる伝説の傭兵。

 

おじいちゃん伝説★2

 しゃべらない。本当にしゃべらない。

 91分の映画で、おじいちゃんがしゃべるのは本当に最後の最後だけ。

 是非、なんてしゃべるのか見届けて欲しい。


おじいちゃん伝説★3

 首が、強い。

 首をつられても、居眠り出来ちゃう。待って、普通死ぬ。そうか、やっぱりおじいちゃんはフィンランドの妖精だったんだね。


お祖父ちゃん伝説★4

 メンタルが凄い。

 俺の金塊、返せ。

 もはや妖精通り越して、悪鬼。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

この映画がおすすめだ!! かげのひと @ayanakakanaya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ