　品質管理を仕事にするときのきっかけはさまざまある。品質管理は未経験であっても始められる仕事だ。高度な技術や専門知識がなくても構わない。製品の品質をよくしたいと思うのであれば、門はあらゆる人に等しく開かれる。

　まずは品質管理での経験を足がかりにして、いずれは開発者になりたい、という者もいる。明確な夢を持っている人だ。製品の開発には技術と知識が必要だ。なりたいと思ってすぐになれるものではない。それなりの準備、すなわち学習、努力、経験、実績がいる。品質管理と開発者の距離は近い。品質管理の現場に身を置けば、開発者から提供される多くの情報を間近で見られる。直接対話をする場面も少なくない。とてもよい経験になるだろう。運もかかわってくるが、自分しだいでチャンスをつかむことができる。

　単純に生活資金を稼ぎたい、が仕事をするきっかけであっても一向に構わない。生活がかかっていたほうが、仕事に徹することができるだろう。そういう人は、生活苦に陥らないよう懸命に働くはずだ。お客さまがよろこぶ製品品質になるよう力を尽くしてくれるだろう。

　品質管理を仕事にするきっかけは、なんだっていい。はっきり言って、しんどいことが多い。大変な仕事だ。だが、大変なのであってつらくはない。やってみれば、楽しさややりがいを見つけられる場面がたくさんある。技術の進歩にともない、品質管理の仕事内容は常にアップデートされていく。覚えることが増え、新しい発見・体験が待っている。飽きやマンネリズムなど心配しなくていい。ルーティンワークのようでありながら、そのじつ毎日が変化に富み、アイデアと想像力で状況をよりよいほうへ向かわせるため試行錯誤を繰り返す。品質管理とは、そんな仕事である。