誰よりもアルパカさんに似ている男

小学生の時に、読んだ『学校の怪談』。そのシリーズに世界で一番怖い話というものがあった。


それが『地獄の牛鬼』というものだ。


どれくらい怖いのだろうか、と幼心に興味深く読んでみた。


その内容は恐ろしすぎて今は誰もその話を知る者はいない…、というものだった。


概して、人は愚かな生き物である。


一番怖い話というのは、地獄の牛鬼ではなく、この世界の人の営みなのではないだろうか。


確かに、ドブネズミは様々なものを食べて大きくなり、ペストの病原菌の媒介者にもなる。


ただし、人であっても様々な珍味(フォアグラやキャビアやウミガメのスープなど)を楽しんで食べる。


牛から見てもカルビ、ドブネズミから見ても殺処分、ガチョウにとっても太らされて殺される、チョウザメにとっても卵をとられる、ウミガメにとっても残酷な…


要するに一番怖い生き物は、何を隠そう人間なのだ。











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あらかると 小林飛翔(Al) @alpacahisho

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