第3話

次に目が覚めると、今度は見知らぬ天井が目に入る


「……天使さん、大丈夫?」


「え!?」


聞いたことない声が聞こえたかと思ってその方を向くと、今度は心配そうに私を見つめる、この界の主人公が見えた


「痛くない?」


この世界の主人公……


<ルナ=アイリス>


が私に向かって問いかける


アメジストの綺麗な長い髪をハーフアップにしていて、ライラックの丸い瞳は、私を心配してか潤んでいた


ちなみにルナは、この王国の姫君という立場でありながら、理由があって平民と同じ暮らしをしている




「まさか、この世界にほんとに天使がいるなんてな!」


そうおちゃらけて笑うのは、


<ラピスラズリ=アリア>


金髪に綺麗な海色の瞳を持つ、ルナと同い年の青年だ


「……姫は、優しいな」


そう優しく微笑むのは、


<クロノス=ウルフ>


黒色の髪に淡い青色の瞳を持つ、無口な青年だ


ちなみにクロノスはこの世界の騎士団に所属しており、ルナの専属ボディーガードだったりする


まだまだキャラはいるのだが、今はこの3人しかいないらしい


「…ありがとうございます」


自分の体をよくよく見ると、ところどころ傷があるのが見て取れた


一体何があってこんなに傷だらけになったのか…


そんなことを考えていると、ルナが説明してくれた


「天使さん、いきなり空から落ちてきたんですよ?」


何があったんですか…?


と心配そうに問いかけてくれるルナ


「…どう、なんでしょう…」


記憶が無いからなんとも言えない…


「!もしかして…天使さん、記憶が無いんですか!?」


私の言葉に、ルナが悲痛な声を上げる


「クロノス、ラピス!私、この天使さん放っておけない!」


「ふふ、ルナならそういうと思ったよ。僕も協力する」


「とうぜん、俺もだ」


「2人とも…!ありがとう!」


楽しそうに笑い合う3人に、私は孤独感を感じていた


だって、私はもう死んでいて、もともと彼らとは交わるはずのない世界にいたのだから


「天使さん、もう大丈夫だよ!私たちがお家に返してあげる!」


そう笑うルナに、私も何とか笑みを返したのだった




天使、目が覚めたら…?

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愛され天使に祝福を! みのり @teardrop777

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