第2話
「…んん……」
次に目が覚めた時、私が目にしたのは、フワッフワのわたあめのような雲だった
「……え、雲?」
まさか私、私死んじゃったの!?
慌てて体を確認すると、どこにも怪我はなく…
「よお、お嬢ちゃん。目が覚めたみたいだな」
そう話しかけてきたのは、オレンジ色の髪の青年だった
その青年の頭には、まるで天使の輪っかのようなものが付いていて……
「……えっと、誰ですか?」
「俺か?俺はミカエル、大天使様だ」
「だい…てんし?」
「そう、読んで字のごとく、俺は天使の中でもえらぁい立ち位置にいるんだ」
よろしくな!とミカエルはニカッと太陽のような笑顔で笑う
「……天使ってことは、やっぱり…」
「ああ」
ミカエルさんは、私があの事故で死んだこと、そして、天使に生まれ変わったことを教えてくれた
「天使って……本当にいたんですね」
「まあ、お前ら人間には見えないからな。そして、俺たち天使の役目は、人々を幸せに導くことなんだが……」
「だが…?」
「お前には天使になってそうそう悪いが、重要な任務があるんだ」
「重要な任務……?」
ミカエルさんの言葉に首を傾げる
「そう、この世界の奴らを幸せにしてやって欲しい」
そう言ってミカエルさんが差し出した鏡を覗き込むと、そこには私が前世大好きだった世界が映っていた
そして、鏡の中で深刻な顔で俯く主人公
「実はな…この世界だけ、向かうべき未来に向かわずに、バッドエンドに突き進もうとしているんだ」
「バットエンド……?」
「そう、お前が会ったみたいな……な」
そう言われて、前世で目の前に迫るトラックの記憶がフラッシュバックする
「……天使に産まれ変わるやつはな、大体、過去に辛いことがあって、他のやつを同じ目に会わせたくないってやつばっかなんだ」
その言葉を言われて、私は目をみひらく
小さい頃の記憶が蘇ってくる
誰も助けてくれなかったあの頃のことを
「どうだ?」
「分かりました。やります」
私ができることで、誰かが助かるなら
まして、大好きな乙女ゲームの世界に行けるなら、それくらい飲んでやる
そう思って頷いた
「ありがとな!さすが俺が見込んだ女だ。……次に目覚めた時は、この世界に居るだろう。……頼んだぞ」
ミカエルさんのその言葉と共に眠気に襲われた私は、素直に瞼を閉じたのだった
ハロー、新たに天使を迎える世界
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