ヒッキー物語

bbキャンセル君

第1話

「おい起きろ!いつまで寝てるんだ!!いい加減ヒッキーを卒業しろよ!!

ほらここに行って金稼いで来い!!」

ずいっと見せられる城への招待状に書かれた強者求むの文字。

「あーあヒッキーには難しいのにーあーあ」

「つべこべ言わずに行け!!」

布団ごと外へ放り出される俺、

あーあ怒らせたー夫となる人を追い出したー。

ガチャっと扉が開いて、入れてくれるのかと思ったら

「金稼ぐまで帰ってくるな」

冷たい視線で扉を閉められる。

しゅん。

トボトボと城がある街へと歩を進めた。


ヒッキーだからこの広い草原はこたえるし

ヒッキーだから仕方ない事だし、でも帰る場所

失ったしー

どうしよ、人生真っ暗だよ。


普通の人なら1時間かかる道を

二時間ちょいかけて、城下町にたどり着いた。


早速王の間へと行くと沢山の人々が集まっていた。

すぐにヒッキーには厳しすぎると察した。

この人の多さが久しぶりすぎて、吐き気がしそう。

ああ、よく見てたスマイル動画の時間が恋しい。


しゃらーと始まりの合図が鳴り

長い校長先生かと勘違いするほどの話が始まる。

意識が現実に戻り、目を開ければ、誰もいなくて、全てが終わっていた。


もう帰ろうヒッキーには厳しかった。


場内の廊下で、急いでいる綺麗な女性とぶつかる。

「あっあっごめんなさい!」

「こちらこそごめんなさい」

急ぎ足で去っていた彼女とはまた後で出会うこととなる。


何の話だったか、思い出せない今、

俺は何をすべきなのかさえ分からない。

こんなんで家に帰ったら殺される

だから帰れない、とぼとぼ帰路につくと

さっきの女性が魔物に襲われているのを目撃する。


さすがのヒッキーでも見殺しにはできない。

武器はそこらへんで拾ったアイアンソード

「くらえー」

片手剣なのに大剣の様に振るう

倒せるわけもなく

「やっぱりヒッキーには厳しかった!!逃げるぞー!」

彼女の右手を引いて無我夢中で逃げた。

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ヒッキー物語 bbキャンセル君 @aiumi

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