「8月16日、お墓参り」

正午…。

東の国、西の国との国境付近にあるお墓に向かっている。

「ふぁぁあああ…。遠くないか?」

朝9時から歩いているから中…。欠伸をして文句を吐く主。

「もうそろそろですから頑張りましょう!」

私は主を鼓舞する。

「…。そうだな。花も買ったし…。イチョウにも会える…。楽しみだなぁ…!」

主は笑顔でそう言った。

「楽しみですね。」

トコトコ歩いていると…。

「見えたな。」

「そうですね。」

ちょっと古びた門…。前来たより汚いような…。まぁ10年前だし。来たの。

「なんだありゃ…?」

するとそこには無数の人影が居た。

「なんか1人近づいて来てるけど…?」

こっちに気づいたのか人影が近づいてくる。

「よ!!!スモモちゃんに!ミー…!」

主がイチョウさんを静止する。

「その呼び名で呼ばないでくれ!今は主だ!イチョウ!それより…。」

「なーに?」

主は黒スーツを着た人達を指差し…。

「こいつら何者?」

「部下。」

「「部下ですかァ!!!???」」

主はイチョウさんに近づき耳元で

「けど…。イチョウ…。私達の事バレたら厳しいんじゃないか?」

「大丈夫!信用出来るよ!みんな!だよね!」

イチョウさんの言葉に反応するように黒スーツの人達は…。

「「「「はい!!!」」」」

「流石だよ…。西の三英傑…。いや…。親友!」

イチョウさんの肩を叩いた。

「痛いよ…。まぁ元気そうで良かった!なら行くぞ!」

イチョウさんは中に入っていった。

「相変わらず…。お前は…。」

私達はイチョウの後を追った。

石の道を歩く。辺りを見渡す。

「・・・。それにしても綺麗ですね。」

「そうだろ?スモモちゃん!毎年掃除してようやくここまで綺麗になったよ!」

そうゲラゲラ笑っている。

「やるじゃないか…。あの部下使ったの?」

「いいや。1人。私だけ。」

「お前几帳面だもんな。」

談笑をしながら歩いてると長細い大きな石が目の前に現れる。

「…。久しぶり…。ウメモ…。オキザリス…。エビオ…。そしてガザニア様…。」

主は持っていた花を置いて…。何故か後ろを向いた。私もそれに続いて…。

「お久しぶりです…。皆様…。」

私も少し頭を下げた。

すると何故か…。墓地の入口がうるさくなってきた。

「なんだ〜?喧嘩か?」

イチョウさんは呑気な声でそう言った。

だが…。主は…。

「すまない…。イチョウ…。東の国の奴らにつけられてたらしい…。」

「お前が気づかないって、相当だな!」

「私が対・・・。」

「いいや!ここは!私、このスモモが対応いたしましょう!」

私は主の言葉を止めるように割入った。

「…。そうか…。任せる。」

「はい!」

私は力を入れ、両手を構えて鎌を出した。

「!?」

「・・・。」

イチョウさんはビビっていたが…。主は心、ここにあらず。

「では…!」

「気おつけろよ。」

それ言ってスモモは入口に向かった。

「てか…。スモモ…。お前のあの鎌。使えるんだな。」

イチョウは私に近づいてくる。

「うん。てかお前知ってるだろ?それに私が身長が小さい理由も。」

「・・・?いや。身長小さいのは元からだろ。」

「は!!!???昔なら175cmあったわ!」

「けどよ…。主…。お前なんでそんなに顔が暗いんだ?」

「いや…。ガザニア様と同じ気持ち知っちゃった…。」

「ガザニア様…。ねぇ。懐かしいね。」お前にそんな感情があったなんてな。

「昔の事は極力思い出さないようにしてたんだけどね。」スモモに力渡してから色々とな。

「けどあれだろ?東の国の現大統領の奥様に似てるんだろ?」

「あぁ…。だからかな?いやでも似てる…。もう…。もう…。あの悲劇は起こしたくない…。それにスモモもに…。」

私は頭を抱える。

「で、お前はどうしたい?」

とイチョウからタバコを渡させる。

「戦争を止める。」タバコいらん…。

「それは無理だ。」フゥーー…。

「は・・・?」

私はイチョウの胸ぐらを掴めず…。睨む。

「…。まぁ…。上の判断だ。俺たちには止めることはできない。」

「…。なら戦争の火種を潰…。」

「それも無理だ。」

「はぁ!?どうして!?」

「近いうちに西の国は東の国の奥様を客人として招くらしい。」

「・・・・は?なんて言った?」

「西の国は東の国の奥様を…。」

「何考えるんだ!あのクソジジイ!!!!!なんでイチョウは止めないんだ!?なぁ!!!」

私は声を荒らげる。

「俺もよくわからん。けどガザニア様が亡くなった時一番悔しがっていたのは…。間違いなく旦那様だ。汲み取ってやれ。」

私は膝を着いて倒れた…。

するとイチョウは私に手を伸ばした。

「お前を呼んだのは他でも無い。お前らを西の国に復帰させたい。もちろん…。お前らはもう戦争に参加しなくていい。名前だけ貸してくれればいい…。」

「は?何言って…。」

私の言葉を無視してさらに話を進める。

「東の国に詳しいお前だからこそ私達はお前が欲しい。どうだ?また俺ら3人と一緒に…。」

「・・・・・・・。お前…。それは本心か?」

「いや…。国の意向だ。確かにまたお前とバカをしたい。スモモちゃんの紅茶を飲みたい。」

「いや!お前のその本心に聞いてるんだよ!戦争は嫌だろ!お前もあの時の戦争で思い…。知ったはずだ!」

私はイチョウの顔を見る。イチョウは私の顔を見て目線をずらした。

「正直戦争嫌だ。けど上の指示だ。仕方なく飲んでる。それは三英傑同じ気持ちだ。やるんだったら戦争なんてしたくない。」

イチョウの拳は強く握りていて震えていた…。そして歩き出した。

「イチョウ…!」

イチョウは私の呼びかけに止まった…。

「・・・。お前ならいつでも歓迎だ…。じゃあな。決してお前はこの戦争には首を突っ込むな…。」

イチョウは歩き出した。

私はイチョウが見えなくなるまで見ていた。

(私…。どうすれば良いんだろ…。)

するとイチョウとすれ違っていく人影見えてきた。

それは大きな鎌を持った…。

「スモモ…!」

私はスモモを見たとん体が動いた。

私は走って人の返り血で血まみれのスモモに近づいた。

そして抱きつく。スモモの表情はとても冷たかった…。

「スモモ…。」ぎゅぅ…。

「・・・。主様?」

スモモの体温と共に表情は段々と明るくなる…。

「怪我ない?」

「・・・。」ぽつ…。

「スモモ…!?どうした!?急に涙なんて…!!!!!」

私はポケットにあるハンカチで涙を拭く。

「…。す…。すみません…。主様…。私が拭きますので…。」

「いい!拭かせろ!強がるな!」ポロ…。

「主様も!涙が…!」

「私は良いんだよ!!!!」

私もどうやら泣いていた。

「…。主様…。どうでしたか?イチョウさんとの会話は…?」

スモモは私に質問してきた…。

「辛かった…。けど…。来てよかった…。話せてよかったよ。」

「それは良かったです!」

スモモは笑顔で応えた。

「それより…。帰ろう…。疲れたよ。」

「そうですね!私も少し疲れました!」

「肩…。貸すよ…。」

「嬉しいです!」

そうスモモは私の肩に体重を預ける。

「いや重…。」

「・・・。す…。すみません…。」

(・・・。もし…。戦争が起きるのなら…。スモモも言っていた。”火種を潰そう…。”ならやる事はひとつだな…。)

「スモモ…。」

私は口を開いた。

「どうしました?」

「火種を潰しに行くぞ…。」

「…。はい!」

私は墓を後にした。



国本部…。

大統領がとある件を聞いていた…。

「何故だ…。何故だ…!!!!!100人を動員したのに…。どうして…。そんなにその死神は強いのか…?それになぜ…。西の三英傑までも…!!!!!」

大統領は声を荒らげる。

(100人の精鋭…。死にはしなかったと聞くが…。それをたった一人で…。しかも…。主様では無かったと…。話を聞く限り…。スモモさん…。)

「どうしましょう…。大統領…。今目標達は帰宅中だと…。」

そう言ってくるが…。

「今は西の国との戦争がある…。これ以上手をつければ本当に敵になり兼ねん…。ここまでだ…。」

大統領は頭を抱える…。

私は頭をフル回転させた…。

(・・・・。頼るしかない!)

「旦那!」

「ん?どうした?」

「私に考えがあります!」

私は旦那にとある案を言った。


8月19日…。私は主様の家に向かい依頼しに向かう…。



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メイドと死神 誤字はすてーたす @Status-Gozi

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