目が覚めた。


夢を見ていた。


私と彼が仲良かったときの思い出と、私たちの最後の日のことが、夢になって現れた。


楽しかったあの日々は儚くて、でも確かに存在していた。


いつからだっけ。気付いたら、お互いに自分のことで精一杯になっていた。上手く話し合えなくなって、喧嘩が増えても謝れなくて。


当たり前に甘えてた。永遠に続くと思っていた時間は、本当は一瞬だった。


まだ眠い頭で、ぼんやりと彼との最後の日を思い出す。


夢と現実は違かった。


話を切り出したのは彼。それはいっしょ。違うのは、私も同意したということだ。


すぐに泣く私を嫌がってた彼の前で、一生懸命涙を堪えた。


しつこくなりたくないから。いい女風に終わりたかったから。


嫌だと言うことなんて、私にはできなかった。


でも、もしも、あのとき泣いて引き留めてたら、私の隣には今も彼がいたのかもしれない。またやり直せていたのかもしれない。


彼は今、どうしているだろう。彼は今ごろ……。


「りり、りり?」


私を呼ぶ声で我に帰る。


「あ、春輝ごめん。起こしちゃった?」

「ううん。大丈夫。どうかした?」

「……なんか、昔の夢見てた。……おやすみ」


隣にいるのは、優しい表現で私を見つめる婚約者。



ねえ、私ね、2番目に好きな人と結婚するんだ。ちゃんと幸せだよ。ちゃんとその人を愛してるの。


でもやっぱり寂しいと思ってしまう。よくないよね。


あなたのこと何度も思い出してしまう。


だから早く幸せになってね。じゃないと連絡してしまうから。


大好きだったよ。さようなら。


あなたとの思い出早く捨るね。

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君と2番目 東さな @a_sana

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