生贄少女は悪しき竜を倒す

危険な魔物が蔓延る森。
その中にある村近くの洞窟で少女と竜は出会った。

「我の生贄となった者は貴様か」

その洞窟内で生贄となった少女は美しくも恐ろしい巨大な竜と相対した。

「左様で御座います。私はペリルと申します」

竜の問いに答えた少女、ペリルは長い黒髪に真紅の瞳を持っていた。
外の世界では悪魔の色として忌避される物。その色を持ちながら、美しい魂を持っていることを竜はその黄金に輝く特殊な瞳で見抜いた。

悪魔の色を持ったばかりに生け贄にされた哀れな娘。

せめてでも痛みなく喰らってやろう、と竜はペリルに向かって口を大きく広げた。

「では早速…ギャァァー！何をする!?」

だが、竜の口に激痛が走った。驚きで誰にするでもない質問をした竜にペリルが答えた。

「何を言われましても、私はま…続きを読む