あとがき

最後まで読んで下さりました読者の皆様。

今回描きました作品『幽霊じっちゃんと俺の看護師成長物語』で私が皆様に伝えたかったこと…。それは、看護師の働く姿や、看護師が経験年数を重ねる度に抱えていく重圧や葛藤とは何か、それを乗り越えるためにどんな過程を経ているのか、というような内容を物語を通じて知ってもらいたい、そんな思いを込めてこの作品を描きました。


医療現場には、本当に様々な人間ドラマがあります。

対患者さんでは、看護師が人の命と向き合う中で必要不可欠な医療用語も多く、どのように表現すれば伝わりやすいかを考えて描きました。癖の強い患者さんや、疾患の影響で看護師に対して罵声を浴びせる人もいました。そんな人たちと関わり、人として成長する姿が伝わっているでしょうか…。

対看護師同士の成長過程も取り入れたい要素でしたので、新人教育担当での出来事を少し描写を変えつつ、描いております。


医療現場では時にしびやな内容となる事も多く、物語として全体的に暗い内容になりそうだったのですが、そこにあえて幽霊化した祖父じっちゃんを交えることで描写が和むのではないか、読者の皆様にわかりやすく伝えられるのではないか、そんな思いを込めてハートフルコメディというジャンルで描きました。

くすっと笑える場面もいくつか取り入れておりますので、お楽しみいただけると幸いです。私個人としては、祖父と楽人の言葉のキャッチボール場面が描いていて楽しく、お気に入りの場面となっております。


この作品で取り上げている様々なエピソードは実体験を元に描いております。

楽人の同期や新人看護師を描くにあたり、これまで関わったスタッフを参考にし、オリジナルキャラクターとして描いております。


そのエピソードの中でも、私が重きを置いたのは、世界的に大流行した新型コロナウイルスとの闘いです。このウイルスとの闘いは本当に過酷そのものでした。テレビなどで取り上げられることも多く、ご存知の方もおられるかもしれません。

普段から何気なく使っていた物がなくなり、あらぬ噂から様々な物を買い占める事態が生じ、生活用品がなくなりました。そうした物資がない中で、医療者がウイルスに感染しないようにはどうするべきか、病院内でも常々話し合っておりました。行動制限も厳しく、長きに渡る制限は精神的なダメージの要因でもあります。

時に辛い思いをすることも多く、患者さんを目の前にして無気力となることも、看護師として挫折を味わうこともありました。同じ現場で働いていた数名の仲間も、現場から去って行きました。思い返すと辛いこともありましたが、多くの方々の支えもあり、乗り越えた結果、今こうして笑顔で過ごせていることも事実です。


そんなたくさんの思いをこの作品に詰め込んでおります。

長編として初めて最後まで描き上げた作品を、読者の皆様の目に触れていただき、心温まる作品となっておりましたら幸いです。




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幽霊じっちゃんと俺の看護師成長物語 虎娘ฅ^•ﻌ•^ฅ @chikai-moonlight

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