非対称
僕の作った世界は。
僕が僕でいられる世界は。
未だに、間違っていないみたいだ。
ばれていないみたいだ。
僕のすねには傷跡があって、
おびただしい数の切り傷があって、
それらはみな僕の間隙を衝こうとした君たちの付けた傷跡で。
必ずと言っていい。
左足のすねに、
深く、深く刻まれている。
馬鹿みたいだ。
対称を信奉する君たちの、
均衡と平等と、
あるいは競争への思索と。
それらはみな、
こんなにも非対称で、
僕のことを殺そうとしてくる。
君へ。
コンパスで丸を描けよ。
二つだけでいい。
そして、その丸を描く線を、
互いに重ね合わせて、交点と交点を結ぶかどうかは、
すべて任せた。
僕は、もう君たちの面倒を見ていられない。
非対称 みこまる @thakajo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。非対称の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます