『落研ファイブ―何で俺らがサッカーを?!』5「一並高校サッカー部の変」に出てくる「道灌(どうかん)」について

「落研ファイブっ―何で俺らがサッカーを?!」5「一並高校サッカー部の変」を投稿しました。↓

https://kakuyomu.jp/works/16817330659394138107/episodes/16817330659397846469

いつもののんびり高校生活のはずが、一並ひとなみ高校サッカー部に異変が。


本日は、第五話に出てくる落語『道灌どうかん』についてお話します。



☆題名の『道灌どうかん』は、室町時代の武将であり江戸城を築いた太田道灌おおたどうかんの故事から採られています。


道灌どうかん公の『山吹の里伝説』が下敷きとなっているのですが、伝説に出てくる和歌【七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞ悲しき】を知らないと、落語『道灌どうかん』は全く笑いどころが分からない。


知っていたとしても、現代人には情景がすっと浮かんでこない。

すっと浮かんでくるように伝えるには相当な修練と天性のセンスがないと難しい。


見習い落語家的な立ち位置の『前座ぜんざ』が習得する『前座噺ぜんざばなし』の一つではありますが、このような事情もあって、にぎやかで刺激的な笑いに慣れた現代人相手にはハードルの高いはなしです。


三元さんげんが作中で「道灌どうかんだあ。あれ簡単そうで難しいんだよ」と言ったのはこのあたりの事情を踏まえての事なのです。



枯淡の域に達した大名人がさらりと演じると、さぞ粋な話だと思うのですが。



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