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結論から言おう。
何とかなった。
途中から俺はもうどうにもならないことを把握していた。
そりゃあそうだ、俺が持っているのは石斧と石ナイフもどき。
チェーンソーどころか鉄斧ですらない。
そんなもので1本頑張って竹を切り倒している間に、数本の竹が生えてくるような状況になったのだ。
俺が「もうマヂムリ」と五体投地するのは時間の問題だった。
そこで俺が取った行動とは。
トチ狂って「ほんともう勘弁してください」と竹に向かって三跪九叩頭の礼をすることだった。
……いや、本当にマジでいっぱいいっぱいだったのだ。
もし「竹に愛を囁けば収まるよ」とか
だが、本当にそれで、成長速度が収まったのだ。
ここで「失敗した俺は失敗」って連呼することにならなくてよかった。
いや~~~~~……本当に良かった!
土地が竹に占拠されて上陸不能とかになったら笑い話にもならん。
真面目に考察するなら、チート成長速度を制御できる、ということだろう。
元々、俺が作った苗にのみ与えられた特典のようなものだ。
あった方が便利ではあるが、もしそれが不都合な場合は与えないことも選択できる。
これは苗を作る初期段階ではなく、あとから没収することも可能らしい。
ぽっともらえた
そのおかげで、とりあえず竹の成長は常識的な速度に収まってくれた。
これなら必死こいて伐採すれば何とか抑制できるだろう。
実際、木材としてはすごく便利なのだ。
前に言った通り、建築材にもなるし、道具にもなるし、燃料にもなる。
タケノコは食料になるし。
だから切り倒した竹材は、もう片っ端から加工する予定だ。
とりあえず今は、乾燥のために家に併設して建てた仮設の材木置き場に平積みだが。
「さーてあとは……お、こっちも育ってるな」
竹に構っていて放置していたが、それ以外の苗もしっかり育っているようだ。
薬草を思い浮かべて作った苗や、森に生える雑草をイメージして作った苗は、木々のあちこちで少しずつ茂みを作っていた。
苗をつくるときの法則にも、追加のルールを発見できた。
苗を作るときはその時の俺のイメージに合わせ、それに近い植物が選ばれるようなのだが。
例えば「前に苗にしたものとは違う薬草」とか「怪我に効能のある薬草」とかそういう指定でも苗が作れるのだ。
正直、そんなに草の名前とか効能なんて知らないので、これは助かった。
薬草が育ってきたら、採って乾燥させて、ゴリゴリと砕いて粉末しないといけない。
やることはいっぱいあるな、と俺は息を吐き、背を伸ばした。
時間はいくらでもある。
だが、できるだけ急がないといけない。
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