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日を改め、今度は木の苗を作るときにイメージする。
……粘土質の土地でうまく育つ樹木。
そうして出来た苗を植えると……土地は拡張されなかったものの、木の周辺の土壌が見る間に変化した。
触ってみると、今までの土とは違う感触が伝わる。
固くて、粘質のあるそれは……そのまま陶工に使えそうな粘土だ。
「なるほど……植える苗に合わせて、その苗が育ちやすいような土壌に変化させるのか」
とはいえ、その土地一面が粘土質になったわけではなく、ごく一部のようだった。
石とか岩とか、そういったものも変化せず据え置きだ。
詳しくはないが……基本的に、粘土は植物を育てるには向かない土だと聞いたことがある。
だから、この新たに植えた植物を育てられる分だけは土地が粘土にかわり、他の樹木が枯れたりしないように……という配慮だろうか?
……いや、いったい誰が配慮しているんだろうか、神様だろうか?それはないか。
兎に角、土地もある程度自由にできることが分かった。
となると、水辺を作るには水辺や水中で育つ植物の苗が必要になるのか?
次回検証してみよう。
水辺も必須だ。
さて、俺は石斧を作るべく……研磨した石を据えるための、柄の部分の作成に取り掛かることにした。
石を蔓とかで×字に括り付けてヨシ!とはいかない。
実際試してみたが一発振ったら石が飛んで行って探す羽目になった。
マジで危なかった……沼へ飛んで行って、沈んでいったら探しようがない。
俺の1日がパーだ。
まあ時間はいくらでもあるんだが。
とにかく、石と柄は、もっとしっかりと固定する必要があるのだ。
「これなんかいいな、ちょうどよくて」
植えた木から自然に落ちてきた枝を集めていた場所から、手ごろな太さの枝を引っ張り出す。
握りやすい太さのそれは、長さも多分30cmくらいで取り回しもよさそうだ。
俺はその枝を手に、先日石を磨いた岩のところへと戻ってきた。
そして尖った石と平べったい石を用意して、枝の端の部分を抉って穴を掘っていく。
ノミとハンマーのように、尖った石を平たい石で打ちつけながら。
ちょうど、斧の頭になる予定の石が通るくらいの大きさになるまで……だ。
根気がいる上に、あまりに調子に乗ってガンガン掘ると枝が割れてしまいかねない。
指を石で打ち付けたくもない。
慎重に……丁寧に……。
そうして、気が付いたころには、空はまた夕焼けになっていた。
……なんか時間が経つのが早い気がするなぁ。
それだけ熱中してやっている、ってことかもしれないけど。
まあ、この世界が地球と違って、24時間周期じゃあない可能性だってあるのだが。
日が落ちてしまえば作業はできない。
そして眠い。
俺はいそいそと片づけを始め、暗くなると同時に眠った。
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