椿の源平合戦

古夜桜

第一話

「はぁ、鬼武者(源頼朝)達は元気にしているのかしら。」

わたくしの名は椿。源氏の姫でございますが、『平治の乱』と呼ばれる戦で父上が負けてしまい、この安房(今の千葉県)に流されてしまったのです。そして、独り狭い見張りのついた屋敷で毎日を過ごしております。ですが今日は不思議と見張りが居ないのです。どうしたのでしょうか。

「さぁ逃げて。」

「貴女は?」

「私なんてどうでもいい。今日は祭りがあるから見張りがいない。私に着いて来て」

「では、お言葉に甘えて。」

わたくしはそう言うと隠しておいた笠と仕込み杖(隠し武器の一種)を取り出し、彼女 の歩く方向に着いて行いきました。

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椿の源平合戦 古夜桜 @huruyosakura

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