将棋でプロになるような人は圧倒的な才能と負けず嫌いの心を持つ竜ばかりです。それが頂点に上り詰めて、自分よりもさらに才能のある鬼才を迎え撃つようになり、鯉のような息をしながらもがく棋士達は決してフィクションではないのでしょう。そんな現実のことが頭によぎりながらも、中年らしい落ち着いたタッチで初心にたどり着く心情の動きを描いた良作です。