【第一章 異世界入門編】-15話- 一章エピローグ

 飛竜討伐後、アリシアはその場で泣き、崩れ落ちた。

 結局、なんて声を掛ければいいか分からず少し離れたところで待機していたんだけど、それほど時が経つ間もなくアリシアはこちらへ戻ってきた。


 上泉「もういいか?」

 アリシア「ええ、大丈夫よ、ありがとう。」

 上泉「そうか、それじゃあ街に戻るか。」

 アリシア「えぇ。」


 そして今度もアリシアを抱えて街まで戻り、街の入り口でアリシアは冒険者ギルドに報告に向かい、俺は飛竜の死骸を回収しに山岳地帯まで戻って、死骸を持ってくるのだった。


 それからはいろいろと大変だった。

 飛竜の死骸に対して、鑑定やら査定やらを行い、その飛竜が今までの例にない進化を遂げていた件に関しても一騒動あり、飛竜討伐の功績に対して俺のランクもランク3から一気にランク5まで上がるなんてことあったりしながら数日が過ぎた。

 そして………………



 上泉「そんなわけで俺は旅に出ることにしたんで、今までお世話になりました。」

 ギルドマスター「どうしても行くのか。」

 上泉「ええ、何せ飛竜の件は街である程度広まっていましたからね、ハーベストツリーでも討伐出来なかったって、そんな飛竜を討伐したっていうので街歩いてるとやたら有名になっちゃったんで居づらいんですよ、まあそれがなくても旅はしようと思ってたんでちょうどよかったんですけどね。」

 ギルドマスター「……そうか、まあ冒険者ならそんなものだろうな、わかった。

 ただ、今回の件はホントに助かった、例を言う、ありがとう。」


 そう言ってギルドマスターは頭を下げた。


 上泉「いや、いいですよ、気にしないでください」


 そう言ってギルドマスターの頭を上げさして、その後少し雑談をして、ギルドマスターの執務室から出て行ったのだった。



 受付嬢ルビィ「そうですか、寂しくなりますね……」

 上泉「そうですね、ただまあ、またくることもあると思いますのでその時はお土産でも買ってきましすよ。」

 受付嬢ルビィ「そうですね、確かに今後会えないわけでもないですし、その時を楽しみにしてますね。」


 その後ルビィ嬢と雑談を交わし、ギルドを後にするのだった。



 上泉「さて、あとこの街で親しいのはアリシアさんだけなんだけど……」

 確かアリシアさんはここ数日旅支度していたっけな、まあ多分エルフの里に帰るのだろう

 向こうが旅立つ前に挨拶出来れば良いんだけど……。

 そう思い、アリシアさんの止まっている宿に向かうのだった。


 アリシア「遅いじゃない、亮司!」


 その宿に到着するやいなや、待ち構えていたアリシアさんと会った、しかも荷物も横に置いてあるし、もしかして今から出ようとしてたけど出る前に俺に挨拶する為に待ってたってことか?


 上泉「エルフの里に帰る前に俺に挨拶する為に待っててくれたのか?」

 アリシア「は?なんで私がエルフの里に帰らなきゃあいけないのよ、私はまだ冒険者を続けるわよ、だからあなたが旅にでるんなら一緒に行こうと思って待ってたのよ。」

 上泉「は?俺の旅についてくるのか?なんでだよ。」

 アリシア「私はこの前の飛竜戦で死ぬつもりだったのよ、だけど誰かさんが飛竜を圧倒しちゃったから死ぬに死ねなくなっちゃったじゃない、だから責任もって一緒にパーティ組みなさい。」


 めちゃ暴論来たな、でも自暴自棄になられても困るしこっちも旅に出る時に旅仲間は欲しいと思ってたから丁度いいっちゃあ丁度いいかなぁ。


 上泉「ん〜、まあこっちからしても助かるけど、ホントにいいのか?」

 アリシア「えぇ、そもそもハリィが冒険者やめて戻るって行ったから結婚相手である私もってなってただけで冒険者自体はまだやっていたいって思ってたし、それにいつまでも亡くなった3人のことをいつまでも気にしててもハリィ達があの世で困るだけでしょ?私も1人で冒険者やるのは危ないし、丁度いいと思って。」

 上泉「なるほどね。」


 確かにそう言われればそうか……


 アリシア「そ、それにハリィも亮司なら許してくれそうだし……」

 上泉「……ん?今なんか言ったか?」


 アリシアの声な恥ずかしいからなのか小さかったので上泉にはしとかり聞こえなかった。


 上泉「分かったよ、それじゃあ今後もよろしく。」

 アリシア「えぇ、こちらこそよろしくね!」





 上泉「さて、それじゃあ行きますか。」

 アリシア「えぇ、それで、今度はどこへ行くの?」

上泉「この街道をずっと行った先にある貿易都市ってところ、いろいろなものが集まるって話なんで楽しみなんだよな。」

 アリシア「あぁ、あそこね、確かにそう言うとこれはあるかもね」

 上泉「だろ?それじゃ行くぞ、徒歩でも5日ぐらいでいけちゃうらしいしゆっくり行きますか。」

 アリシア「えぇ、了解よ。」


 そう言った会話を行いながら、2人は旅立っていくのだった。

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異世界に落ちたのでファンタジー世界を旅してみようと思う 大和コウ @yamat-kou

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