【第一章 異世界入門編】-14話- 飛竜討伐③

 上泉「……凄いな。」

 アリシアより放たれた魔法は飛竜すら飲み込んでしまいそうな大きさの雷球をともない、見事飛竜に直撃し、飛竜と共にその先の岩壁に激突し、土煙がまっていた。


 アリシア「はぁはぁ、ど どう⁉︎」

 上泉「……」


 最上位魔法、確かに凄いな、これなら……。

 そう思った直後。


 ボ! と土煙から飛竜が飛び出してきた。


 アリシア「うそ、そんな……」

 上泉「ダメージがないわけじゃないけど、致命傷って訳でもなさそうだな……」


 かのレベルの魔法を直撃させてもこの程度なのか、とんでもないな、飛竜の魔法耐性は、でもダメージがないわけじゃないから倒れるまで撃つっていう手もあるけど……


 アリシア「く……でも通っていないわけじゃない……倒れるまで魔法を撃ち続ければ……」


 アリシアも俺と同じ結論にいきついた直後、


 ギィギャァーーーーーーーーー!!!!


 飛竜が咆哮したと同時に飛竜の体表を魔力が多いはじめた。


 アリシア「あ あれって……」

 上泉「俺が使っているマジックスキンだな、俺のを見て学んだか、従来の魔法耐性が高いから今までは必要なかったが、魔法で傷を負った為使い始めたか、何にしてもこれは……」

 

 さっきの魔法でダメージは見込めなくなったっかな、これは……。


 アリシア「そんな……」


 アリシアが崩れ落ちた……


 上泉「……………………アリシアは後ろ下がってろ。」

 アリシア「何を言ってるのよ、もう無理よ、私の魔法はもう効かないだろうし、私だけ逃げろって言うの!?このままあの飛竜を討伐出来ないのなら死んだ方がマシよ!!」

 上泉「違うよ、あとは俺がやるから後ろで見てろって言ってるんだよ。」

 アリシア「何を言ってるのよ、飛んでる飛竜にどうやってあんたの攻撃を当てるのよ」

 上泉「どうってこうやって」


 そう言い、瞬時に魔弾を生成、おおよそ通常魔弾の1000倍もの魔力を注いだその魔弾を連続で3発高速で飛竜に向かって撃ち出した。



 上泉「当たったのは一発だけか……」

 アリシア「………………え?」


 おれが撃ち出した魔弾は2発までは飛竜がうまいこと避けたが3発目は見事に当た出ることができた。

 それでもあまりダメージはないように思える……な。


 上泉「普通に魔弾撃っただけじゃあダメか、それなら。」


 そう言って駆け出し、地面を蹴って飛竜目掛けてジャンプした。

 飛竜自体先程の魔弾からダメージは無さそうだったから体勢を崩したようで避けるより先にこちらが到達し、鉄棍を思い切り飛竜の横面に叩き込んだ。


 ドゴォン!! という音と共に飛竜が叩き潰し落とされ、岩山に激突、そのまま岩山が崩れ落ち、飛竜は岩山に埋まってしまった。

 そのまま地面に降り立った俺は再び先程の同じ量の魔力を注いだ魔弾を生成する。

 ただ今度は生成した魔弾に対してさらに魔力を収束させる。

 魔弾の発生技能で、魔力の消費の多さ故に実用的ではないと言われた技術だ。


 アリシア「何あれ、とんでもない魔力を収束させている?………………嘘でしょ……」

 上泉「通常の魔弾だとおよそ1000倍以上魔力込めれなかったからな、それ以上だとこれになるっぽいんだよな」


 おおよそ収束が終わった頃に飛竜が岩山を吹き飛ばして出てきた、そのタイミングを見計らい。


 上泉「出てきたタイミングなら器用に避けれないだろ、それじゃあくたばれ、「魔咆」」


 そういうや否や極太の魔力でできたレーザー砲と行って差し支えないレベルの魔咆が放たれ飛竜はその光に飲み込まれて吹き飛んだのだった。




 アリシアは飛竜の飲まれた光の帯を信じられない面持ちで見上げていた。

 

 アリシア「……………………なんなの、ホントに……」


 アリシア自身、魔咆という技術は知っていた、しかしそれはこんなとんでもない規模で撃ち出されるものではないことも知っている、推定威力がそれこそ神域魔法と言われ御伽話で出てくるような威力のものを単純な魔力量だけで到達しているであろう光景を目に、唖然とするのも無理のないことだろう。

 そんな面持ちで見てた時、その光の帯から何かが落ちたのが遠目からでも見えた。


 アリシア「あれは……」

 上泉「飛竜だな、まだ形があったのか、まあ討伐証明も必要だし言ってみるか、走るから抱えるぞ。」

 アリシア「え?、ちょ!」


 言うやいなや上泉はアリシアを抱え、走り出すのであった。



 到着した場所には、すでに全身ズタボロになり羽が消し飛んでもなまだ息のある飛竜が存在していた。


 上泉「まだ息あるのかよ、驚いたな。」

 アリシア「え、えぇそうね、あれをくらってよく……。」


 2人してその飛竜に対して驚いていた。


 上泉「とはいえもう戦う力もないだろうな、アリシア、トドメ刺してやれ。」

 アリシア「………………私がやっていいの?」

 上泉「あぁ、任せた。」


 そう言って上泉は下がった。


 アリシア「………………飛竜、あなたはここで死ぬのよ、私のパーティメンバーを殺したあなただからこそ、私がトドメを刺してあげる。」


 そう言って魔法構築を行い、魔法を放つ。


 アリシア「グランライトニング!!」


 放たれた魔法は飛竜に直撃し、すでに魔力が先程の魔咆の防御で全て使い切り、竜の皮膚もボロボロになっていた飛竜に抵抗出来るはずもなく、その魔法にて、進化したその飛竜の命は尽きるのであった。

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