青春剣士

@wbc1146

第1話 憧れのアオハル

4月6日朝6時。いつもこんな時間に起きたりしないのに目が覚めた。ちょうど朝日が部屋の窓からはいってくる時間。待ちに待った高校生活がスタートするんだからそのスタートにふさわしいさわやかな朝にするんだ。さっそく布団から飛び起きて階段を駆け下りて洗面所に直行する。

「今日から高校生なんだ!!」

私、白川結衣は今日から女子高生になる。しかも憧れの私立高校の!勉強に明け暮れて努力した甲斐があった。かわいいブレザーの制服は部屋に大事にかけてある。推しの曲を流しながら顔を洗って歯磨きして身支度を整えていく。鼻歌交じりでルンルンだ。なんたって女子高生になったんだから。「華の女子高生」に!

「結衣うるさい」

顔を上げると同じ顔が眠たそうにこっちを睨んでいた。双子の兄・太智だ。

「今日から高校生なんだよ!もっと喜びなよ!太智もはやく準備しなって!」

「そんなはしゃぐなよ」

「なによ!っていうか朝練してきたの?」

「そうだけど?」

「こんな日までしなくてよくない?」

「俺の日課なの」

太智は保育園の年中からずっと剣道を続けている。私も小1からなんだかんだと続けて高校も続けていく予定だ。それが私立に通うのに親からでた条件だったから。

「三度の飯より剣道が好きってこのことよね」

太智が朝練を始めたのはいつからか知らないけど少なくとも中学から続いている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

青春剣士 @wbc1146

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ