老人とカラス

@asobininn5588

第1話

竹田武は定年を迎え、一人娘結婚して家を出て独立している。

妻は長い闘病生活の末去年亡くなってしまった。

1年にもなるが炊事洗濯に四苦八苦しているまいにちだ。

武     (最近てれびは、騒いでいるだけで面白みがないな。)

テレビのちゃんねるを変えた。

テレビから「野鳥が大量死したと言うニュースが流れていた。

武     (鳥たちの胃の中には何もなかったのか!)

      (可哀想に自然が減っているからか?)

武は昼食のしたくを始めたが、量の加減が解らない。

武     (残りは夕食にすればいいか。)

食事も終わり片付けをして、散歩がてら買い物に出かけた。

家をでて歩き出すと、ご近所の奧さんたちが話をしている。

奥さんA   「本当にやになっちゃう!これで3回目よ。」

奥さんB   「食べ残しは捨てるときは紙で包んで見えないように

        しないと。」

奥さんA   「ぁら!武田さんこんにちわ。」

武      「こんにちは。」

奥さんB   「おさんぽですか?」

武      「ぇえ散歩がてらスパーに行って見ようかと。」

       「なにか有ったんですか?」

奥さんA   「ゴミの集積所にカラスが来てちらかすんですよ。」

       「そのかたずけで、困ってるんですよ。」

その時、屋根の上にいたカラスが「カーッ」

奥さんA   「ホントに憎たらしい。」

武はやねのカラスを見た。

武      「このカラスですか?」

奥さんB   「いつも近くにいるからか、そうだと思うんだけど。」

武は軽く会釈をして、歩き出した。

10分程歩くとスーパーについた。

惣菜コーナーに向かった。

武      (おいしそうだな!買ってみるか。これもたべたいな・・・)

       (見ると食べたくなって、ついつい買いすぎてしまった)

スーパーを出て歩いていると。

「ァァーカァー」

武      (ん!カラス・・・・さっきのカラスか?)

武は家に入り買ってきた惣菜を冷蔵庫にいれて、リビングのソファーにおしを下ろした。8

なにけなく庭を見ると、フェンス塀にカラスが止まってこちらを見ている。

武      (なんで、ついてきたんだ?)

       「食べる物はないよ」

カラス    「カァーー」

一泣きしてとんでいった。

カラスは毎日フェンスにとまるようになった。

何日か続いた。

武      (また来たのか。)

武はこんまけして、台所に行きゴミ箱に捨てた野菜の切りくずを軽く洗いリビングから庭に投げた!

       (小さな庭だが、妻は花が好きでよくそだてていたな。)

武はソファーに腰掛け思い出していた。

カラスは庭に降りついばんでいた。しばらくすると!咥えて飛んでいった。

武      (人間は食べずにふてるけどカラスはたべるのかな?)

翌日も、カラスが来た。「カァー」

武は食べきれずに残しておいた生姜焼きを一切れトレイに乗せて庭においた。

カラスは咥えて飛んでいった。

そんな日々が数ヶ月続いた、ある日。

武      (最近来ないな。)

娘から、同居を提案されているが武は断っていた。

妻との思い出も、愛着も有るこの家を離れる気になれなかった。

カラスが来なくなってどの位たっただろう。

武      (来れば面倒に感じるけど。来ないと心配になる、)

そんなことを考えていたらフェンスにとまっていた。

武      (久しぶりだな!今日は生ゴミの日だったから何もないぞ?)

カラス    「カー」

武は台所に行き冷蔵庫を覗いた!生姜焼き用の薄切りを1枚取って庭に投げた。

カラスは庭の肉を咥えて飛んでいた。

また、カラスが来るようになって平凡な無い日が流れ数年が過ぎたある日。

武は、胸が苦しくなり救急搬送された。

心筋梗塞だった。


武      (ココはどこ?)

まわりを見ると、森のようだ見たこともないような木々や草が。

状況が解らずにぼーっとしていた。

どこからか一羽のカラスが飛んできた。

カラスは近くに降りると、女性に姿を変えた。

謎の女性   「私に付いてきて下さい」

武      「今何が起きたんだ?ココは?」

謎の女性   「ここは、天国への入り口です。」

       「私がご案内します。」

武      「そうか、私は死んだのか・・・・」

女性は歩きながら。

       「私は生前、あなたに助けて頂いたカラスです。」

       「育ち盛りの子供たちを育てるために飛び回っているときでした。」

       「あなたのお陰で子供達も巣立っていきました。」

武      「ぁあ!あの時の。残飯しかあげられなくて。」

謎の女性   「そのお礼が言いたくて、あんないを志願しました。」

       「さぁ!あちらへ。」

指し示す方を見ると。

大きな橋の先に表現出来ないような景色が!

よく見ると橋の反対側に妻に似た女性が。


END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

老人とカラス @asobininn5588

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ